運転士に向いている人とは?適性検査と求められる力

運転士に向いている人の特徴と、適性検査で求められる力を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が国土交通省・厚生労働省・警察庁などの公的機関と、鉄道会社・バス会社・交通局の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。採用の区分や募集要項、制度は変わることがあるため、最新の情報は各社・各交通局の公式の採用ページで確認してください。

運転士になりたいけれど、『自分は運転士に向いているのかな』と不安になることもありますよね。

結論から言うと、運転士の適性は性格の明るさや器用さよりも、「時間を守る」「確かめる」「体調を整える」といった毎日の行動の習慣で見えてきます。電車の運転士には、国の試験の中に身体検査と適性検査もあります。

この記事を読むと、運転士に向いている人の行動のチェックと、電車とバスで受ける適性の検査の違いが分かります。

目次

運転士に向いている人とは?毎日の行動の習慣で見てみよう

先に結論

運転士に向いているのは、決まった時間を守り、同じ確かめを毎回くり返し、体調を整えて仕事に臨める人です。これは生まれつきの性格というより、毎日の習慣で身につけられる力です。

『運転が好きなら向いているはず』と思う方も多いはずです。

もちろん好きな気持ちは大事です。ただ、運転士の仕事では、毎日同じ確かめを同じようにくり返すことが、何より安全につながるんです。

運転士に求められる力を、ふだんの行動に置きかえたセルフチェックの表を作りました。当てはまるものがいくつあるか数えてみてください。

求められる力ふだんの行動で言うと当てはまる?
時間を守る約束の時刻の少し前に着くようにしているはい・いいえ
確かめを習慣にする出かける前に鍵や持ち物を同じ順番で確かめるはい・いいえ
体調を整える早めに寝るなど、次の日に合わせて生活を整えられるはい・いいえ
落ち着いて対応する予定が変わっても、まず状況を確かめてから動けるはい・いいえ
同じ作業を続ける単調な作業でも、手を抜かずに続けられるはい・いいえ
報告・連絡をする小さなミスでも、早めに人に伝えられるはい・いいえ
運転士に向いている人の特徴を、時間を守る・確かめを習慣にする・体調を整えるなどの行動で示したセルフチェックの図解

仕事のどんな場面で、この力が生きる?

セルフチェックの力が、運転士の仕事のどんな場面につながるのかも見ておきましょう。

力電車の運転士の場面バスの運転士の場面
時間を守る決まった時刻に駅を出て、次の駅に着く時刻表に合わせて停留所を回る
確かめを習慣にする信号や停車位置を指差して確かめるミラーや乗り降りの様子を確かめる
体調を整える早朝や夜の乗務に合わせて眠る長い時間の運転に備えて休む
落ち着いて対応する遅れや異常の時に決まった手順で動く渋滞やお客さまの困りごとに対応する

『確かめるのは当たり前では?』と思うかもしれません。ただ、疲れている日も急いでいる日も同じように確かめ続けるのは、意外と難しいことなんです。

「はい」が少なくても、あきらめなくていい

「はい」が少なかったとしても、がっかりしなくて大丈夫です。どの項目も、意識して続ければ身につく行動だからです。

例えば、確かめの習慣なら、明日から出かける前に「鍵、財布、スマホ」と声に出して確かめてみるだけでも練習になります。

今日からできる練習
  • 約束や授業の時刻の少し前に着くようにする
  • 毎朝、同じ順番で持ち物を確かめる
  • 寝る時刻と起きる時刻をそろえる
  • 小さなミスに気づいたら、その日のうちに人に伝える

電車の運転士に必要な身体検査と適性検査

国の試験に身体検査と適性検査がある

電車の運転士に必要な動力車操縦者運転免許の試験は、身体検査、適性検査、筆記試験、技能試験の順に進みます。身体検査に合格した人が適性検査と筆記試験へ、その2つに合格した人が技能試験へ進みます。

電車の運転士になるには、国の動力車操縦者運転免許が必要です。この試験の最初にあるのが、身体検査と適性検査なんです。

試験の中身は、動力車操縦者運転免許に関する省令で決まっています(e-Gov法令検索)。

身体検査の基準

省令の別表に書かれている身体検査の基準を、項目ごとに並べてみます。

項目国の基準(動力車操縦者運転免許に関する省令 別表二より)
視力両眼で1.0以上、かつ片眼それぞれ0.7以上(矯正してもよい)
両眼視機能・視野・色覚操縦に支障のある異常がない
聴力左右それぞれの耳で、5mの距離でささやき声をはっきり聞き取れる
体の状態操縦に支障のある病気や体の機能の障害がない
アルコール・薬物アルコールや麻薬などの中毒の症状がない

視力は、メガネやコンタクトレンズで矯正した値でもかまいません。『目が悪いから無理かも』と思っていた方も、まずは矯正した視力で考えてみてください。

例えばこんな場面で考えてみましょう。高校3年生で、鉄道会社の採用試験を受けるか迷っていて、視力に自信がない場合です。

この時は、まずメガネやコンタクトで矯正した視力を眼科や健康診断の結果で確かめ、省令の基準と比べてみると、受けるかどうかを決めやすくなります。

適性検査ではどんなことをする?

適性検査は、クレペリン検査、反応速度検査その他の検査で行うと省令に書かれています。

クレペリン検査は、並んだ数字を足し算していく作業を続ける検査です。作業の速さや、時間がたってもペースが大きく崩れないかといった点を見る検査として知られています。

反応速度検査は、合図に対してどのくらい速く正確に反応できるかを見る検査です。

よくある思い込み

『適性検査は特別な才能がないと通らない』と思い込んでしまうことです。検査は、運転に必要な作業の続け方や反応を確かめるものです。前の晩によく眠り、落ち着いて受けることが大事になります。

筆記と技能の試験で見られること

適性検査と身体検査の後には、筆記試験と技能試験があります。

筆記試験は、鉄道の法令と、車両のしくみや運転の理論などです。技能試験では、速度観測、距離目測、ブレーキの操作、ブレーキ以外の機器の扱い、定時運転、非常の場合の対応が見られます。

速度や距離を目で見て判断する力、決まった時刻どおりに走らせる力は、この記事のセルフチェックの「時間を守る」「確かめる」とも重なっていますよね。

会社の中でも適性検査がある

国の試験とは別に、鉄道会社が社内で適性検査をすることも一般的です。例えば近鉄は、運輸部門の選考段階で適性検査を行うと採用ページに書いています。

免許の種類や試験の流れは、鉄道の運転士に必要な免許|動力車操縦者運転免許の種類と取り方で詳しく紹介しています。

バスの運転士の選考で見られる適性

バスは会社の選考の中で適性を見る

バスの運転士に必要な大型二種免許の試験には、電車の運転士のような国の適性検査はありません。そのかわり、バス会社や交通局の採用選考で、適性検査や運転適性検査、健康診断などを行うのが一般的です。

バスの運転士を目指す方は、『電車と同じような検査があるの?』と気になりますよね。

バスの場合は、会社や交通局が採用の選考の中で適性を見ます。公式の採用情報から、選考で行う検査の例を並べてみます。

会社・交通局選考で行う検査の例(公式の採用情報より)
東京空港交通クレペリン検査、運転適性検査、健康診断、面接
JR東海バス適性検査、運転実技試験、健康診断、脳波検査
京都市交通局実技試験、口述試験、クレペリン検査
名古屋市交通局(養成型)SPI3(性格・基礎能力)、面接、身体検査

受験資格にも、視力などの条件が書かれていることがあります。例えば京都市交通局や名古屋市交通局の市バス運転士は、両眼0.8以上かつ一眼それぞれ0.5以上(矯正を含む)が条件の1つです。

電車の運転士の適性
  • 国の免許の試験に身体検査と適性検査がある
  • 適性検査はクレペリン検査や反応速度検査など
  • 会社の社内選考でも適性を見ることが多い
バスの運転士の適性
  • 会社や交通局の採用選考で適性を見る
  • 運転適性検査やクレペリン検査、SPIなど会社ごとに違う
  • 視力などの条件は募集要項で確かめる

選考の前に整えておきたいこと

適性の検査は、その日の体調や睡眠で結果が左右されやすいものです。準備できることは、前もって整えておきましょう。

選考の前のチェック
  • 募集要項の視力などの条件を、矯正した視力で確かめる
  • 選考の流れと、どんな検査があるかを採用ページで確かめる
  • 前の日は早めに寝て、当日は時間に余裕を持って会場へ向かう
  • 運転の実技がある会社なら、動きやすい靴など服装の指定を確かめる

未経験からバスの運転士を目指す道は、バスの運転士になるには?未経験から大型二種免許を取る道で紹介しています。

運転士ドットコム

バスやトラックの運転士への転職を考えている方へ

バスやトラックなど運転の仕事は、会社によって免許取得の支援や勤務の形、休日の取り方が大きく違います。一人で求人票を見比べるのが大変な時は、ドライバー専門の転職支援サービスに無料で相談して、希望に合う求人や条件を確かめてみましょう。

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鉄道会社の運転士は、各社の公式の採用ページから応募するのが一般的です。転職支援サービスは主にバス・トラック・タクシーなどの運転の仕事を扱っています。

運転士の適性でよくある相談

相談で多いのは「なれない人もいる?」と「どんな試験?」

運転士の適性についての相談は、鉄道会社に入っても運転士になれないことがあるか、適性試験に受かった後どうなるか、採用試験で筆記や実技のほかに何があるか、が多く見られます。

Q&Aサイトでよく見かける相談を、要約してお答えします。

鉄道会社に入っても、運転士になれないことはある?

「電車の運転士は狭き門なのか。JRに就職できても運転士になれない人もいるのか」という相談があります。

鉄道会社では、入社後に駅や車掌の仕事を経て、社内の選考や適性検査、国の試験に合格して運転士になる流れが一般的です。そのため、入社した全員が同じ時期に運転士になるとは限りません。

ただ、ここで見られるのは、日ごろの仕事ぶりや安全への意識です。駅や車掌の仕事を大事にすることが、そのまま運転士への近道になります。運転士までの道のりは運転士になるには?で紹介しています。

適性試験に受かったら、次はどうなる?

「クレペリンや脳波などの適性試験に受かったら、講習の期間があると聞いた。その後どうなるのか」という相談もあります。

電車の運転士の場合、適性検査や身体検査に合格した後は、法令や車両のしくみの講習、実際の運転の講習へと進み、筆記と技能の試験に合格して免許を受ける流れです。会社の養成所で講習を受けるのが一般的です。

筆記・実技・面接のほかにも試験がある?

「バス会社の採用試験で、筆記・実技・面接のほかに何かあるのか」という相談もよく見かけます。

会社によっては、クレペリン検査や運転適性検査、健康診断、脳波検査などがあります。受けたい会社の採用ページで選考の流れを確かめ、前の日はしっかり眠って体調を整えておきましょう。

「面接で、自分は運転士に向いていると思う理由を聞かれたら、どう答えればいい?」

こう聞かれた時は、セルフチェックの表で「はい」だった行動を、具体的な場面と一緒に伝えると、相手に伝わりやすくなりますよ。

電車の運転士とバスの運転士で、国の試験と会社の選考の中で受ける適性の検査の違いを並べて示した図解

よくある質問

運転士に向いている人の特徴は何ですか?

時間を守る、確かめを習慣にする、体調を整える、落ち着いて対応するといった行動が身についている人です。どれも毎日の練習で身につけられる力です。

電車の運転士の適性検査では何をしますか?

動力車操縦者運転免許に関する省令では、クレペリン検査、反応速度検査その他の検査で行うと定められています。身体検査に合格した人が受ける検査です。

電車の運転士の視力の基準はどのくらいですか?

省令の身体検査の基準では、両眼で1.0以上、かつ片眼それぞれ0.7以上です。メガネやコンタクトレンズで矯正した視力でもかまいません。

適性検査に向けて、何か準備できることはありますか?

前の日によく眠り、落ち着いて受けることがいちばんの準備です。ふだんから時間を守る、同じ順番で確かめるといった習慣を続けておくと、仕事に就いてからも役に立ちます。

バスの運転士にも適性検査はありますか?

大型二種免許の試験には電車のような国の適性検査はありませんが、多くのバス会社や交通局が採用選考で適性検査や運転適性検査を行っています。内容は会社ごとに違います。

まとめ

この記事の要点
  • 運転士の適性は、時間を守る・確かめる・体調を整えるといった行動の習慣で見えてくる
  • 電車の運転士の免許の試験には、国の基準による身体検査と適性検査がある
  • 適性検査はクレペリン検査や反応速度検査など
  • バスの運転士は、会社や交通局の採用選考の中で適性を見る
  • 運転士の仕事の全体像は運転士とは?で確かめられる
運転士ドットコム

運転士ドットコム 編集部

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