運転士になるには?電車・バスそれぞれの道のりと年齢の目安

運転士になるにはどうすればいいかを、電車とバスの道のりと年齢の目安で解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が国土交通省・厚生労働省・警察庁などの公的機関と、鉄道会社・バス会社・交通局の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。採用の区分や募集要項、制度は変わることがあるため、最新の情報は各社・各交通局の公式の採用ページで確認してください。

運転士になるには、何から始めればいいのか分からなくて迷っていませんか。

結論から言うと、運転士になるにはまず「電車かバスか」を決めるのが近道です。電車は鉄道会社に入ってから社内で免許を取り、バスは大型第二種免許を取って入社する、と順番がまったく違うからです。

この記事を読むと、電車とバスそれぞれの道のりと年齢の目安、立場ごとの進路、最初にやることが分かります。

目次

運転士になるには?電車とバスの道のりを比べよう

先に結論

電車の運転士は「入社してから免許」、バスの運転士は「免許を取ってから乗務」が基本の形です。どちらを選ぶかで、準備することも年齢の考え方も変わります。

『運転士になるには、とりあえず免許を取ればいいの?』と思う方も多いはずです。

実は、電車とバスでは免許を取るタイミングも、費用を誰が持つかも違うんです。5つの点で比べてみました。

比べる点電車の運転士バスの運転士
入口鉄道会社・交通局の新卒採用や社会人採用バス会社・交通局の新卒採用や中途採用
最初の配属駅係員から始まる会社が多い研修を受けてから路線バスに乗務する例が多い
必要な免許動力車操縦者運転免許大型第二種免許
免許の費用会社の養成の中で取る会社や交通局が負担・貸与する制度がある例も多い
運転士になるまで入社から数年かかるのが一般的免許を取れば研修を経て乗務できる
電車の運転士とバスの運転士の道のりを、入口・最初の配属・免許・費用・期間の5つで並べて比べた図解

どちらが良い悪いではなく、自分の年齢や状況にどちらが合うかで考えるのがポイントです。運転士という仕事の全体像は運転士とはの記事で紹介しています。

電車の運転士になるには鉄道会社の採用が入口

鉄道は「会社選び」から

電車の運転士になるには、鉄道会社に入社し、駅係員や車掌の経験と社内の試験を経て、養成で免許を取ります。まずは運転士につながる採用区分を探すところからです。

電車の運転士は、国の動力車操縦者運転免許が要る仕事です。この免許は、多くの場合、鉄道会社の指定養成所で取ります。

だから、『先に免許を取ってから応募する』のではなく、『入社してから免許を取る』のが基本の順番になるんです。

運転士につながる採用区分を選ぶ

鉄道会社には、事務や企画の総合職、線路や電気の技術職、駅や乗務の現業職など、いくつもの採用区分があります。

運転士を目指すなら、乗務につながる区分を選ぶのが大事なところです。公式の採用ページで紹介されている例を並べてみます。

会社運転士につながる採用区分の例
JR東日本地域総合職の駅・乗務員(車掌や運転士など幅広く活躍することを前提とした採用)
JR西日本プロフェッショナル職採用(運輸)
近畿日本鉄道鉄道職(運輸)。運転士になることが前提の採用
小田急電鉄エキスパート職(新卒・高卒・社会人採用)
京成電鉄鉄道現業職(駅係員〈電車乗務員候補〉)

区分の名前は会社ごとにばらばらです。採用ページで「乗務員」「運転士」「運輸」といった言葉を手がかりに探してみてください。

入社から運転士までの流れ

多くの鉄道会社では、駅係員、車掌、運転士の順に進みます。

例えば阪急電鉄では、駅で2年の経験と転用試験で車掌に、車掌で3年の経験と転用試験で運転士に、という流れが紹介されています。小田急電鉄では、駅係員から車掌になり、約1年の教習を経て動力車操縦者運転免許を取る流れです。

電車の運転士になるまでの流れの例
  1. 鉄道会社に入社し、研修を受ける
  2. 駅係員として駅の仕事を経験する
  3. 社内の試験に合格して車掌になる
  4. 社内の試験に合格して運転士の養成に進む
  5. 学科講習と技能講習を受け、免許を取って1人で乗務する

勤務地の範囲も確かめておこう

鉄道会社によって、働く場所の範囲はかなり違います。『地元で働きたい』という方は、ここも大事なところです。

例えばJR西日本は、府県単位を基本とするエリアを選んで応募し、入社後はそのエリアを中心に勤務する形です(他のエリアや東京で勤務する場合もあります)。JR九州の社会人採用の勤務地は、九州7県と東京支社と案内されています。

西鉄電車のように、乗務員の間は引っ越しを伴う転勤がないと案内している会社もあります。

選考ではどんなことを見られる?

鉄道会社の選考では、書類や面接のほかに、適性検査を行う会社もあります。例えば近畿日本鉄道は、運輸部門は運転士になることが前提の採用なので、選考の段階で適性検査を行うと案内しています。

国の免許の試験にも、身体検査と適性検査があります。身体検査では、視力(矯正可)が両眼で1.0以上かつ片眼それぞれ0.7以上などの基準が決まっています。

『自分の視力で大丈夫かな』と不安な方は、応募の前に省令の基準と会社の募集要項の両方を見ておくと安心ですよ。

車掌から運転士へのステップは車掌から運転士への記事で、免許の種類や試験の中身は鉄道の運転士に必要な免許で詳しく紹介しています。

バスの運転士になるには大型第二種免許が入口

バスは「免許」と「会社の支援」がカギ

バスの運転士になるには大型第二種免許が要ります。ただ、免許がなくても応募でき、取得費用を会社や交通局が負担・貸与する制度も広がっています。

バスの運転士は、お客さまを乗せて大型の車を運転するので、大型第二種免許が要ります。

本来の受験資格は21歳以上で、普通免許などを持っている期間が3年以上です。警察庁の受験資格特例教習を修了すると、19歳以上・免許の期間が通算1年以上で受験できるようになりました。

受験資格特例教習とは?

受験資格特例教習は、2022年5月13日から始まった制度です。若い人や免許の期間が短い人でも、教習を受ければ大型第二種免許などを受験できるようになりました。

特例の種類教習の中身時限
年齢の特例旅客自動車などの運転に必要な適性(自分をコントロールする力)の座学と実車7時限以上
経験年数の特例危険を予測して避ける力の座学と実車29時限以上

特例で取った場合は、本来の年齢(第二種・大型は21歳)になるまで「若年運転者期間」になります。この期間に違反点数の合計が3点以上になると、9時間の若年運転者講習を受ける必要があります。

免許を持っていなくても応募できる会社がある

『大型二種なんて持っていないし、費用も心配』という方も多いですよね。

国の職業情報提供サイト(job tag)でも、大型二種の取得を支援する企業が増え、入社後の取得を条件に採用されるケースがあると紹介されています。公式の採用ページから、いくつか例を挙げます。

会社・交通局公式ページで案内されている支援の例
東京都交通局(都営バス)普通免許で応募でき、大型二種の取得費用は交通局が全額負担
名古屋市交通局養成型の採用で、指定の教習所での取得費用を交通局が負担
京都市交通局受験資格特例教習の費用を含め、取得費用を交通局が負担(一部手数料等を除く・正式採用後に分割で支給)
西日本JRバス教習費用は会社が全額負担、教習期間中も給与を支給
名鉄バス取得費用を貸与し、取得後3年間の勤務で返済免除

支援の中身は「全額負担」「貸与して一定期間の勤務で返済免除」「入社後に分割で支給」など、会社によって違います。途中で辞めた時の扱いも含めて、募集要項で確かめておきましょう。

入社してから乗務するまで

免許を取った後は、会社の研修で接遇や運転の実地訓練、路線や地理を学びます。job tagの説明では、就業前の訓練は1〜2か月で、営業所での実地試験に合格してから業務に就く流れです。

研修の期間は会社によって違い、例えば西鉄バスの中途採用は4ヵ月〜6ヵ月、名鉄バスは約3ヶ月と案内しています。

バスの運転士の道のりはバスの運転士になるにはで、もっと詳しく紹介しています。

年齢の目安と、高校・大学・社会人の進路

年齢は「国の免許」と「会社の募集」の2段で見る

運転士の年齢は、国の免許の受験資格と、会社ごとの募集の年齢条件の2つで決まります。どちらも満たしているかを確かめましょう。

『何歳までなら運転士を目指せるの?』は、いちばん多い悩みかもしれません。まず、国の免許で決まっている年齢を見てみます。

免許受験できる年齢
動力車操縦者運転免許(電車など)18歳未満は受験できない
大型第二種免許(バス)21歳以上かつ普通免許などの期間3年以上(特例教習を修了すると19歳以上・通算1年以上)

そのうえで、会社や交通局ごとに募集の年齢条件があります。公式に案内されている例を挙げます。

  • 東京都交通局の都電(路面電車)の運転:満18歳以上35歳未満に広げた(令和7年度選考から)
  • 東京都交通局の都営バスの養成枠:年齢の条件を40歳未満から50歳未満に広げたと告知
  • 西鉄バスの中途採用:65歳未満(満65歳定年のため)
  • JR東海バスの中途採用(運転士):19歳以上

身体の条件も先に見ておこう

年齢とあわせて、身体の条件も募集要項に書かれています。例えばバスでは、名古屋市交通局や京都市交通局が、視力(矯正を含む)を両眼0.8以上かつ一眼それぞれ0.5以上と案内しています。京都市交通局は、赤・青・黄の色を見分けられることも条件に挙げています。

電車の運転士の場合は、国の免許の身体検査の基準が目安になります。どちらも、応募の前に一度読んでおくと準備がしやすくなりますよ。

年齢の条件は年度ごとに変わることがあります。最新の募集要項は、各社の公式の採用ページで確認してください。

高校・大学・専門学校で選べる進路

学生のうちに運転士を目指す場合、どの学校を出るかで選べる採用区分が変わります。

今の立場選びやすい道確かめたいこと
高校生鉄道会社の高校生採用、バス会社の高卒採用学校に届く求人、運転士につながる区分か
専門学校・短大生鉄道会社のプロフェッショナル職などJR東海などは短大・専門学校・高校卒の区分がある
大学生鉄道会社の新卒採用(総合職か現業職か)、バス会社の新卒採用総合職で入ると運転士にならない会社もある

例えば西鉄バスの高卒の「養成自動車運転士」は、入社後に働きながら経験を積み、大型二種を取れる時期に会社の自動車学校へ入る流れです(費用は全額会社負担)。

社会人から目指す人の判定チェック

『社会人だけど、今から運転士になれるかな』という方は、次のチェックで自分に近い道を探してみてください。

社会人の判定チェック
  • 普通免許を取ってから3年以上たっている(バスの本来の受験資格の目安)
  • 鉄道会社の社会人採用の年齢条件に入っている
  • 駅や車掌の仕事を数年経験してからでも運転士を目指したい
  • できるだけ早く運転の仕事に就きたい
  • 免許の取得費用の支援がある会社を選びたい

2つめと3つめに当てはまれば、鉄道会社の社会人採用が候補です。4つめと5つめに当てはまるなら、免許の取得支援があるバス会社が現実的な候補になります。

高校生・大学生・社会人の立場ごとに、電車とバスの運転士へ進む道を分けて示した図解

運転士になるには、まず何をすればいい?

最初の一歩は「調べる」と「メモする」

いきなり応募するより、気になる会社の採用ページを読み比べて、条件をメモにまとめるところから始めるのがおすすめです。

道のりが分かったら、次は動き出す番ですよね。運転士を目指す時の手順を表にしました。

順番やることポイント
1電車かバスかを決める年齢、いつまでに働きたいか、生活の形で考える
2気になる会社を3つほど選ぶ通える範囲と勤務地の範囲を見る
3採用ページで区分と条件を読む年齢、学歴、免許の条件、身体の基準
4免許と費用の扱いを確かめる鉄道は養成、バスは取得支援の中身
5説明会や体験会に参加する勤務の例や研修の流れを聞く
6応募の時期を決めて準備する書類、面接、適性検査の対策

例えば、社会人でバスの運転士を考えているなら、こんな場面がありそうです。

「免許を持っていないけど、応募しても大丈夫ですか」
「取得支援の制度があります。条件を確認しましょう」

こうした確認を1社ずつ自分でやるのは、けっこう手間がかかります。

応募や相談の前に整理しておくメモ
  • 目指すのは電車かバスか、その理由
  • 今持っている免許と、取ってからの年数
  • 通える範囲と、引っ越しができるかどうか
  • いつまでに働き始めたいか
  • 勤務の形(泊まり勤務・早番遅番)で避けたいこと

このメモがあるだけで、採用ページを読む時も、相談する時も、話がずっと早く進みますよ。

バスやトラックの運転の仕事ならドライバー転職の相談も

バスやトラックなど、運転の仕事への転職を考えている方は、ドライバー専門の転職支援サービスに相談する方法もあります。

求人の紹介や、免許の取得支援がある会社の条件確認を無料で手伝ってくれます。自分で採用ページから応募する方法と並べて、使いやすいほうを選んでみてください。

運転士ドットコム

バスやトラックの運転士への転職を考えている方へ

バスやトラックなど運転の仕事は、会社によって免許取得の支援や勤務の形、休日の取り方が大きく違います。一人で求人票を見比べるのが大変な時は、ドライバー専門の転職支援サービスに無料で相談して、希望に合う求人や条件を確かめてみましょう。

無料ドライバー専門の転職支援サービスを見る

鉄道会社の運転士は、各社の公式の採用ページから応募するのが一般的です。転職支援サービスは主にバス・トラック・タクシーなどの運転の仕事を扱っています。

求人の探し方の比べ方は運転士の求人の探し方で、転職サービスの選び方はドライバー転職サービスの選び方で紹介しています。

鉄道の運転士は会社の採用が入口なので、転職サービスより鉄道会社の採用ページから応募するのが基本です。

運転士になるにはでよくある相談

知恵袋などでよく見かける相談から、運転士を目指す方に多いものを3つ選んで答えます。

相談1 電車の運転士は狭き門?JRに入っても運転士になれない?

『鉄道会社に入れたのに運転士になれなかったら…』と心配になりますよね。

電車の運転士は、入社後に社内の試験と免許の基準をクリアしてなる仕事です。だから、入社した全員が運転士になれるとは限りません。

ただ、近畿日本鉄道のように「運転士になることが前提の採用」として選考の段階で適性検査を行う会社もあります。応募の前に、区分の説明を読んでおくと安心です。

相談2 人気の会社は難しいと聞いて不安。地元の会社も考えるべき?

運転士を目指していて、人気の鉄道会社の採用は難しいと聞いた、地元の会社も候補にしたほうがいいか、という相談です。

結論から言うと、1社に絞らず、通える範囲の会社をいくつか並べて見るのがおすすめです。JR各社、大手私鉄、地下鉄、地方の鉄道、路面電車と、運転士として働ける会社はいろいろあります。

地方の鉄道の働き方は地方鉄道の運転士になるにはで紹介しています。

相談3 27歳で鉄道会社へ。運輸職と技術職、どっちを選ぶ?

運転士を目指すなら、運輸系の採用区分を選ぶのが近道です。技術職は線路や電気、車両を支える仕事で、運転士とは別の入口になっている会社が多いんです。

社会人採用の有無と年齢の条件は会社ごとに違うので、採用ページで先に確かめておきましょう。

『列車を動かしたいのか、設備を支えたいのか』を自分に聞いてみると、どちらの区分が合うかが見えてきます。迷ったら、両方の仕事の説明会に出てみるのもひとつの方法です。

相談4 女性でも運転士になれる?

『運転士って男性の仕事というイメージがあるけど…』という声も見かけます。

鉄道もバスも、仕事の中身や応募の条件は男女で同じです。国土交通省の資料では、バスの運転者に占める女性の割合は1.7%(2021年度)と、まだ少ないのが今の姿です。

一方で、女性専用の休憩室などを整えている会社も増えています。女性の運転士については女性の運転士の記事で詳しく紹介しています。

よくある質問

運転士になるには学歴が必要ですか?

鉄道会社は高校卒から大学卒まで採用区分があり、学歴ごとに区分が分かれていることが多いです。バス会社は学歴不問としている例もあります。各社の募集要項で確かめてください。

電車の運転士になるには何年かかりますか?

会社によって違います。駅係員と車掌を経験してから運転士の養成に進むのが一般的で、公式の社員紹介では入社3年目前後で運転士になった例もあります。

バスの運転士になるには免許を先に取る必要がありますか?

大型第二種免許が要りますが、免許がなくても応募でき、入社前後に会社の支援で取れる会社や交通局があります。支援の条件は募集要項で確かめましょう。

運転士になるには何歳までがいいですか?

国の免許の年齢と、会社ごとの募集の年齢条件の両方で決まります。鉄道の社会人採用やバスの中途採用は条件が会社ごとに違うので、採用ページで確認してください。

運転士になるには、学生のうちに取っておく資格はありますか?

電車の運転士の免許は入社後に会社で取るのが一般的です。バスを目指すなら普通免許を早めに取っておくと、大型第二種免許の受験資格の年数を満たしやすくなります。

まとめ

この記事の要点
  • 運転士になるには、まず電車かバスかを決める
  • 電車は鉄道会社に入社し、駅係員と車掌を経て免許を取るのが基本
  • バスは大型第二種免許が入口で、取得費用を支援する会社も多い
  • 年齢は国の免許と会社の募集の2段で確かめる
  • 最初の一歩は採用ページを読み比べて条件をメモすること
運転士ドットコム

運転士ドットコム 編集部

電車・バス・路面電車などの運転士の仕事内容、必要な免許、運転士になるまでの道のり、鉄道会社・バス会社の採用の入口、転職の進め方を、運転士を目指す人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次