三陸鉄道運転士など地方鉄道の運転士になるには|採用と働き方

三陸鉄道運転士など地方鉄道の運転士になるための採用と働き方を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が国土交通省・厚生労働省・警察庁などの公的機関と、鉄道会社・バス会社・交通局の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。採用の区分や募集要項、制度は変わることがあるため、最新の情報は各社・各交通局の公式の採用ページで確認してください。

地元のローカル線や、旅先で乗った小さな鉄道を見て、「ここで運転士として働けたら」と思ったことがある方もいますよね。

結論から言うと、地方鉄道の運転士の入口は、未経験から会社で育ててもらう形と、免許を持つ経験者として入る形の2つに分かれます。三陸鉄道運転士のように、未経験から候補生として目指せる会社もあります。

この記事を読むと、地方鉄道の採用の入口の違いと、会社ごとの公式情報、応募前に確かめたいことが分かります。

目次

地方鉄道の運転士は「入口の形」で3つに分かれる

先に結論

地方鉄道の運転士の採用は、①未経験から育てる養成型、②免許を持つ人を採る経験者型、③今は運転士の募集が出ていない会社、の3つで見ると整理しやすくなります。

『地方の小さな鉄道会社でも、未経験から運転士を目指せるの?』と思う方も多いはずです。

実は、公式の採用ページを見ていくと、会社によって入口の形がはっきり分かれているんです。2026年10月8日時点で確かめられた情報をもとに、3つの型に分けてみました。

入口の型どんな採用か当てはまる会社の例
養成型未経験で入社し、会社の訓練で国の免許を取る三陸鉄道、北条鉄道、のと鉄道、しなの鉄道(新卒)
経験者型動力車操縦者運転免許を持つ運転経験者を採るしなの鉄道(中途)、松浦鉄道、平成筑豊鉄道
募集が確かめられない公式サイトに運転士の募集が見当たらない甘木鉄道、紀州鉄道
地方鉄道の運転士の採用を、養成型・経験者型・募集が確かめられない会社の3つに分けた図解

募集は時期によって変わります。この表は「その時点で公式に出ていたか」なので、最新の募集要項は各社の採用ページで確かめてみてください。

自分に合う型はどれ?

今の自分の状況から、どの型の募集を探せばいいかを表にしました。迷った時の目安にしてみてください。

今の状況探したい型見ておきたい募集の例
高校生・大学生で、鉄道の経験がない養成型三陸鉄道の運転士候補生、えちごトキめき鉄道の鉄道一般職
社会人で、鉄道の経験がない養成型三陸鉄道、北条鉄道、のと鉄道
鉄道の運転士として働いている経験者型しなの鉄道(中途)、松浦鉄道
気動車の免許(甲種内燃車)を持っている経験者型平成筑豊鉄道の列車運転士

例えば、40代で鉄道の経験がない場合は、年齢の幅が広い三陸鉄道の運転士候補生(18〜59歳)が目に留まりますよね。

一方で、すでに電車の運転士として働いている人は、地元に戻って経験を生かす道もあります。経験者型の募集は、免許の種類まで書かれていることが多いので、自分の免許と照らし合わせてみてください。

運転以外の仕事の幅も会社で違う

地方の鉄道会社では、運転士を目指す間にいろいろな仕事を経験することが多いです。公式の案内で分かる範囲で、最初の仕事を並べてみました。

会社運転士を目指す間の仕事
三陸鉄道車両基地内での入換・連結・清掃と、免許を取るための訓練
北条鉄道北条町駅での駅業務から始める
しなの鉄道(新卒)駅スタッフなどで入社し、車掌を経て運転士へ
のと鉄道「運転士・車掌候補」として募集
松浦鉄道運転士(免許を持つ人)として運輸部で勤務

『運転だけをする仕事だと思っていた』という方もいるかもしれませんね。

ただ、駅や車両基地の仕事を知っていると、運転士になってからも列車全体の動きが分かりやすくなります。遠回りに見えて、実は大事な時間なんです。

地方鉄道の会社一覧と運転士の採用

確かめられた事実だけを並べています

会社ごとの地域・路線・採用の入口を一覧にしました。公式で確かめられなかった欄は「公式で確認」としています。

ここが一番知りたいところですよね。『自分の地元の鉄道は、どんな採用をしているの?』

会社地域路線・車両運転士への入口
三陸鉄道岩手県宮古市公式で確認運転士候補生(18〜59歳・高卒以上)
えちごトキめき鉄道新潟県上越市妙高はねうまライン・日本海ひすいライン鉄道一般職(高卒)、乗務員・駅員など(社会人)
しなの鉄道長野県上田市公式で確認新卒は駅スタッフなど、中途は免許を持つ運転経験者
のと鉄道石川県穴水町七尾から穴水の33.1km・非電化・軽快気動車運転士・車掌候補(未経験歓迎)
北条鉄道兵庫県加西市旧国鉄の特定地方交通線を引き継いだ路線駅内業務及び運転士候補(無資格・未経験可)
松浦鉄道長崎県佐世保市西九州線運転士(免許と運転経験が要る)
甘木鉄道福岡県朝倉市基山から甘木の13.7km・11駅公式で確認(採用ページなし)
平成筑豊鉄道福岡県福智町公式で確認列車運転士(嘱託・甲種内燃車の免許を持つ人)
紀州鉄道和歌山県御坊市(御坊支店)JR御坊から西御坊鉄道の募集なし(2026年10月8日時点)
地方鉄道の小さな駅のホームに1両の列車が止まっている写真

最新の募集の有無は、各社の採用ページで確かめてみてください。

三陸鉄道運転士は候補生から

三陸鉄道は、運行本部で「運転士候補生」を募集しています。仕事は、車両基地内での入換・連結・清掃と、免許を取るための訓練です。

応募は18〜59歳・高卒以上で、普通自動車免許(AT限定可)が要ります。年齢の幅が広いので、社会人になってから地元に戻って目指したい方にも読んでほしい募集です。

詳しくは三陸鉄道の採用情報で確かめてみてください。

えちごトキめき鉄道運転士は高卒と社会人の採用

えちごトキめき鉄道は、北陸新幹線の金沢開業でJRから分かれた、県や市が出資する第三セクターとされています。路線は、妙高はねうまラインと日本海ひすいラインです。

採用は、新卒(高卒)の鉄道一般職と、社会人採用の「乗務員」「駅員」などの区分があります。運転士になるまでの流れは採用ページに書かれていないので、説明会などで聞いてみてください。

しなの鉄道運転士は新卒と経験者で道が違う

しなの鉄道の新卒は、駅スタッフなどで入社します。社員紹介には、駅業務2年、車掌6年を経て、入社9年目に半年の研修を受けて運転士になった例が載っています。

これは1人の例で、全員が同じ年数というわけではありません。中途の運転士は、動力車操縦者運転免許を持つ運転経験者が対象で、採用後に駅業務などをすることもあります。

のと鉄道運転士は未経験も歓迎

のと鉄道は、七尾から穴水までの33.1kmを走る非電化の路線で、軽快気動車が走っています。正社員で「運転士・車掌候補」などを募集していて、業界や職種が未経験の人も歓迎と案内しています(2026年3月27日更新)。

非電化の路線なので、気動車(ディーゼルカー)を運転するための免許が関わってきます。電車の免許とは種類が違う点は、後の章で紹介しますね。

北条鉄道運転士は駅の仕事から

北条鉄道は、加西市や兵庫県などが出資する第三セクターです。旧国鉄の特定地方交通線を引き継いだ路線を走らせています。

「駅内業務及び運転士候補」は正社員で、無資格・未経験でも応募でき、18歳以上が条件です。北条町駅での駅業務から始めて、将来は運転士の業務を任せる形と案内されています。

松浦鉄道運転士は経験者向け

松浦鉄道の運転士(正社員)は、動力車操縦者運転免許が必須で、運転の経験がある人が対象です。経験の期間は問われず、勤務は佐々の運輸部です。

2026年10月8日時点では、未経験の人を育てる養成枠は確かめられませんでした。未経験の方は、今後の募集を見ていくのがよさそうです。

甘木鉄道運転士の採用は公式で確認

甘木鉄道は、基山から甘木までの13.7km・11駅を走る鉄道で、1986年4月1日に営業を始めました。ワンマン運転で、2両の時は車掌が乗ります。

運転士の採用については、公式サイトに採用ページが見当たらず、確かめられませんでした。気になる方は、会社に直接問い合わせる方法もあります。

平成筑豊鉄道運転士の募集と今後の方向

平成筑豊鉄道は、2025年11月4日に「列車運転士」の募集を出しています。嘱託社員で1年契約(更新あり)、1名の募集で、甲種内燃車運転免許を持つ人が対象です。

あわせて知っておきたいのが、今後の方向です。福岡県の公表によると、沿線の協議会が、鉄道を廃止してバスに転換する大きな方向性を決議しています。

応募を考える方へ

平成筑豊鉄道で働くことを考えている方は、福岡県が公表している協議会の結果と、会社のお知らせを読んでおきましょう。嘱託の契約期間や更新の考え方も、募集要項で確かめておくと安心です。

紀州鉄道運転士の募集は今は無し

紀州鉄道は、JR御坊から西御坊までを走る紀州鉄道線を運行しています。回数券以外の乗車券がすべて硬券という、珍しい鉄道です。

ただ、2026年10月8日時点の公式の採用ページは不動産・ホテルの募集だけで、鉄道の募集は出ていませんでした。また、紀州鉄道は第三セクターではなく、鉄道やリゾート、ホテルなどを営む民間企業です。

電車と気動車で、取る免許が違う

電化か非電化かで免許の種類が変わる

国の動力車操縦者運転免許は、電車なら甲種電気車、ディーゼルカーなら甲種内燃車と種類が分かれています。地方の非電化の路線では、甲種内燃車の免許が関わってきます。

『運転士の免許って1種類じゃないの?』と思う方もいますよね。

動力車操縦者運転免許には12の種類があります。地方鉄道で関わりやすいのは、次の2つです。

免許の種類運転できる車両地方鉄道の例
甲種電気車電車など公式で確認
甲種内燃車ディーゼルカー(気動車)など平成筑豊鉄道の募集、北条鉄道の運転士候補

北条鉄道の運転士候補は、甲種内燃車の免許の取得をめざせると案内されています。のと鉄道も非電化の路線なので、気動車の運転になります。

すでに別の種類の免許を持っている人が、もう1つの種類を受ける時は、試験の一部が免除される仕組みがあります。免許の種類と取り方は、鉄道の運転士に必要な免許で詳しく紹介しています。

国の試験の4段階
  1. 身体検査(視力・聴力などが国の基準を満たすか)
  2. 適性検査(クレペリン検査や反応速度の検査など)
  3. 筆記試験(法令と、車両の構造・機能など)
  4. 技能試験(速度観測、距離目測、ブレーキ操作、定時運転など)
地方鉄道で関わる電車と気動車の免許の違いを、甲種電気車と甲種内燃車で比べた図解

受験できるのは18歳以上です。高校を出てすぐ入社した人も、会社の訓練を受けてから受験する流れになります。

養成型で入社してから運転士になるまで

養成型の会社では、入社してから次のような順番で運転士を目指すのが一般的です。会社によって順番や期間は違うので、目安として見てください。

養成型の一般的な流れ
  1. 駅・車掌・車両基地などの仕事で経験を積む
  2. 会社の選考や希望で、運転士の訓練に進む
  3. 学科と実技の訓練を受け、国の試験を受ける
  4. 免許を取った後、見習い運転を経て独り立ちする

三陸鉄道の運転士候補生なら、車両基地の仕事と免許の訓練が最初から仕事の中身に入っています。しなの鉄道の新卒のように、駅や車掌の経験を長く積んでから運転士になる例もあります。

『どのくらいで運転できるの?』という疑問は、面接や説明会で聞いてみて大丈夫です。入社後の見通しを持つことは、働く側にとって大事なことですからね。

地方で運転士を目指す時のチェック

応募資格と、その鉄道の今後も見ておく

地方鉄道に応募する前は、応募資格や雇用の形だけでなく、その路線のこれからについても公式の情報を読んでおくと安心です。

地元で働きたい気持ちが強いほど、勢いで応募したくなりますよね。

ただ、地方鉄道は会社ごとに事情がかなり違います。応募する前に、次のことを確かめてみてください。

応募する前のチェック
  • 募集が養成型か経験者型かを確かめた
  • 年齢の条件と、普通自動車免許の要件を確かめた
  • 正社員・契約社員・嘱託など雇用の形を確かめた
  • 電車か気動車か、取る免許の種類を確かめた
  • 運転士になる前の仕事(駅・車掌・車両基地)を確かめた
  • 路線の今後について、会社や自治体のお知らせを読んだ

地方鉄道で働くことを考える時の比べ方

地方鉄道で働く良さと、事前に確かめておきたいことを並べてみました。どちらも知ったうえで選ぶと、入社後のギャップが小さくなります。

地方鉄道で働く良さ
  • 地元や好きな土地で働ける
  • 駅・車掌・車両基地など幅広い仕事を知れる
  • 未経験から育ててもらえる募集がある
事前に確かめたいこと
  • 募集の時期や人数が限られることがある
  • 嘱託や契約社員など雇用の形がいろいろある
  • 路線の今後について自治体の話し合いが進んでいることもある

『好きな鉄道で働けるなら、それで十分』という気持ちも大切です。そのうえで、雇用の形や路線の今後を知っておくと、長く働くイメージを持ちやすくなります。

よくある見落とし

「運転士募集」の文字だけを見て応募したら、動力車操縦者運転免許を持つ人だけの募集だった、ということがあります。松浦鉄道や平成筑豊鉄道のように、経験者向けの募集もあるので、応募資格の欄を先に読みましょう。

地方で運転の仕事を広く探すなら

地方では、鉄道の運転士の募集が少ない時期もあります。運転の仕事にこだわりたい方は、地元のバス会社も候補に入れてみると選択肢が広がります。

例えば、小湊鐵道のように、鉄道とバスの両方を運行している会社もあります。バスの運転士への転職の相談先については、ドライバー転職サービスの選び方で紹介しています。

地方の中小私鉄の採用は、中小私鉄の運転士の求人でもまとめています。

運転士ドットコム

バスやトラックの運転士への転職を考えている方へ

バスやトラックなど運転の仕事は、会社によって免許取得の支援や勤務の形、休日の取り方が大きく違います。一人で求人票を見比べるのが大変な時は、ドライバー専門の転職支援サービスに無料で相談して、希望に合う求人や条件を確かめてみましょう。

無料ドライバー専門の転職支援サービスを見る

鉄道会社の運転士は、各社の公式の採用ページから応募するのが一般的です。転職支援サービスは主にバス・トラック・タクシーなどの運転の仕事を扱っています。

地方鉄道の運転士についてよくある相談

相談は「遠くからの就職」と「採用の時期」に集まる

知恵袋などでは、住んでいる県とは別の地方鉄道に就職したい、中途でも採ってもらえるのか、といった相談が見られます。

『県外の高校から、地方の鉄道会社に就職できる?』

工業高校に通う高校生が、別の県のローカル鉄道に就職したいという相談があります。

応募資格に住んでいる地域の条件があるかどうかは、会社ごとの募集要項で確かめる必要があります。三陸鉄道の運転士候補生のように、高卒以上・18〜59歳と条件が書かれている募集もあるので、まず読んでみてください。

高卒の求人は、学校の就職担当を通して出されることもあります。気になる会社があれば、早めに学校の先生に相談しておくと動きやすいです。

『運転士候補は新卒しか採らないの?』

電車の運転士候補は新卒しか採用しないイメージだったけれど、実際はどうなのか、という相談も見られます。

地方鉄道を見ると、中途でも応募できる養成型の募集があります。三陸鉄道の運転士候補生は18〜59歳、北条鉄道の運転士候補は18歳以上で無資格・未経験可です。

『どこの鉄道会社も運転士が足りないの?』

運転士不足で便を減らした鉄道の話を聞いて、どこも同じなのかという相談もあります。

会社ごとの運転士の人数や不足の状況は、公式の情報では確かめられませんでした。ただ、未経験の人を育てる募集を出している会社が複数あるのは、公式の採用ページで確かめられる事実です。

よくある質問

三陸鉄道運転士になるには、どの採用を受ければいいですか?

運行本部の「運転士候補生」が入口です。18〜59歳・高卒以上で、普通自動車免許(AT限定可)が要ります。車両基地での仕事と、免許を取るための訓練を受けます。

地方鉄道の運転士に、未経験からなれますか?

なれる会社があります。三陸鉄道・北条鉄道・のと鉄道などは、未経験から目指せる募集を出しています。一方で、松浦鉄道や平成筑豊鉄道のように免許を持つ人向けの募集もあります。

気動車の運転士になるには、どの免許が要りますか?

ディーゼルカーなどの気動車は、国の動力車操縦者運転免許の甲種内燃車が必要です。電車の甲種電気車とは種類が違います。

しなの鉄道運転士になるまで、何年くらいかかりますか?

公式の社員紹介では、駅業務2年、車掌6年を経て入社9年目に運転士になった例が載っています。これは1人の例なので、目安として見てください。

紀州鉄道や甘木鉄道の運転士の募集はありますか?

2026年10月8日時点では、紀州鉄道の採用ページは不動産・ホテルの募集だけで、甘木鉄道には採用ページが見当たりませんでした。今後の募集は公式サイトで確かめてください。

まとめ

この記事の要点
  • 地方鉄道の運転士の入口は、養成型・経験者型・募集が確かめられない会社の3つで見る
  • 三陸鉄道運転士は、18〜59歳で応募できる運転士候補生が入口
  • 北条鉄道・のと鉄道は未経験も応募でき、松浦鉄道・平成筑豊鉄道は免許を持つ人向け
  • 非電化の路線では、甲種内燃車の免許が関わる
  • 平成筑豊鉄道は、沿線の協議会がバス転換の方向性を決議している
  • 最新の募集は、各社の公式の採用ページで確かめる
運転士ドットコム

運転士ドットコム 編集部

電車・バス・路面電車などの運転士の仕事内容、必要な免許、運転士になるまでの道のり、鉄道会社・バス会社の採用の入口、転職の進め方を、運転士を目指す人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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