観光バスの運転士の仕事|はとバスなど観光バス会社の働き方

観光バスの運転士の仕事と、はとバスなど観光バス会社の働き方を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が国土交通省・厚生労働省・警察庁などの公的機関と、鉄道会社・バス会社・交通局の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。採用の区分や募集要項、制度は変わることがあるため、最新の情報は各社・各交通局の公式の採用ページで確認してください。

旅行の時に乗る観光バス。大きな車体で山道や観光地をすいすい走る運転士の姿に、あこがれる方もいますよね。

結論から言うと、観光バスの運転士は「毎回ちがう行き先へ、団体のお客さまを安全に案内する」仕事です。決まった路線を走る路線バスとは、1日の過ごし方も気をつけることも大きく違います。

この記事を読むと、観光バスならではの仕事の中身と、はとバスなど観光バス会社の採用の入口が分かります。

目次

観光バスの運転士はどんな仕事?路線バスと比べてみよう

先に結論

観光バスの運転士は、予約ごとに決まる行程に合わせて、団体のお客さまを観光地へ運ぶ仕事です。行き先が毎回違い、泊まりの運行やガイド・添乗員との連携があるのが路線バスとの大きな違いです。

『バスの運転なら、路線バスも観光バスも同じでしょ?』と思う方も多いはずです。

実は、同じ大型二種免許で運転するバスでも、仕事の中身はかなり違うんです。路線バスと並べてみると、観光バスの特徴がよく分かります。

比べる点観光バス路線バス
行き先予約ごとに変わる決まった路線と停留所
お客さま団体の旅行客が中心地域の人が毎日乗る
1日の乗務1つの行程を最初から最後まで担当短めの便を何本も担当
泊まり泊まりがけの運行があることも営業所に戻って勤務を終える
一緒に働く人バスガイド・添乗員1人で乗務することが多い
覚えること観光地への道、駐車場、休憩場所路線、停留所、時刻
観光バスと路線バスを、行き先・お客さま・1日の乗務・泊まり・一緒に働く人で比べた図解

初めての道を走る準備も仕事のうち

観光バスは行き先が毎回違うので、初めて走る道も少なくありません。大きな車体が通れる道か、どこにバスを停められるかを、前もって確かめておくことが大事です。

例えば、観光地の駐車場の入口が狭いと分かっていれば、手前で速度を落として、ゆとりを持って曲がれます。こうした下調べが、当日の安心につながるんです。

路線バスの運転士との働き方の違い

路線バスの運転士は、決まった路線を何度も走りながら道に慣れていきます。観光バスの運転士は、行程ごとに道や場所が変わるので、毎回新しい準備が必要です。

路線バスの仕事のくわしい中身は、バス運転士の仕事内容で4種類のバスを比べています。

観光バスの運転士の1日

先に結論

観光バスの1日は、出発前の点呼と点検、お客さまのお迎え、観光地をめぐる運行、お送りと帰庫、終業の点呼という流れです。ガイドや添乗員と打ち合わせながら進めます。

『観光地に着いたら、運転士さんは何をしているの?』と気になったことはありませんか。

日帰りの観光バスの、一般的な1日の流れを見てみましょう。

日帰りの観光バスの1日(一般的な例)
  1. 営業所で点呼を受け、行程と体調を確かめる
  2. 車両の始業点検をして、車内を整える
  3. 集合場所でお客さまを迎え、出発する
  4. 観光地をめぐり、お客さまが見学している間は車両の確認や休憩をする
  5. 解散場所でお客さまをお送りする
  6. 営業所に戻って点検をし、終業の点呼を受ける
観光バスの運転士が出発前に車両を点検している様子の写真

ガイドや添乗員との連携

観光バスでは、バスガイドや旅行会社の添乗員と一緒に行程を進めることが多くあります。到着時刻やトイレ休憩の場所を、運転士とガイドで打ち合わせながら決めていきます。

例えば、こんなやり取りです。「渋滞で10分ほど遅れそうです」「では、次の休憩を短めにして調整しましょう」。

運転に集中しながら、行程全体を一緒に作っていく感覚ですね。

泊まりの運行の日は

泊まりがけの行程では、お客さまを宿へお送りした後、運転士も決められた場所で休みます。翌朝は出発前にもう一度車両を点検してから、その日の行程に入ります。

『旅行についていけて楽しそう』と思うかもしれませんが、休む時間をしっかり取ることも仕事のうちです。次の日の安全のために、早めに体を休める工夫が大事になります。

観光バスの運転士が気をつけていること
  • 大きな車体が通れる道と、停められる場所
  • お客さまの乗り降りの時の足元
  • 行程どおりに進んでいるかの時間配分
  • 長い運転の合間の休憩の取り方

泊まりの運行と、働く時間のルール

先に結論

観光バス(貸切バス)の運転者にも、国の「改善基準告示」という働く時間の基準があります。高速道路を長く走る運行では、連続運転の時間や交替の運転士を乗せる距離の目安も決められています。

観光バスには、泊まりがけの旅行についていく運行もあります。『何日も運転しっぱなしで大丈夫なの?』と心配になりますよね。

実は、運転する時間や休む時間には、国の基準があるんです。2024年4月から適用されているバス運転者の主なルールを表にしました。

ルールバス運転者の基準(2024年4月から)
拘束時間(年・月)1年3,300時間以内・1か月281時間以内(貸切バス等の例外は年3,400時間・月294時間、年6か月まで)
1日の拘束時間13時間以内(延長は最大15時間)
休息期間継続11時間を与えるよう努めるのが基本で、9時間を下回らない
連続運転時間4時間を超えない(高速道路の実車運行区間はおおむね2時間まで)

出典は厚生労働省の自動車運転者の労働時間等ポータルです。

長い距離は交替の運転士を乗せる

国土交通省は2013年に、貸切バスなどの交替運転者の配置基準を定めています。ワンマン運行の実車距離は、昼間は1運行で原則500kmまで、夜間は原則400kmまでが目安です。

これを超える運行では、交替の運転士を乗せることになります。長い距離を走る高速バスの働き方は、高速バス・夜行バスの運転士でくわしく紹介しています。

泊まりの勤務の聞き方

泊まりの運行がどのくらいあるかは、会社や時期によって変わります。面接で「泊まりの運行は月にどのくらいありますか」と聞いておくと、暮らしとの両立を考えやすくなります。

はとバスなど観光バス会社の採用の入口

先に結論

観光バスの運転士の募集は、大型二種免許を持っていることが条件になっている例があります。持っていない人は、路線バスから始めて経験を積む道や、取得支援のある会社を探す道があります。

『観光バスの運転士になりたいけど、免許がない』という方は多いですよね。公開されている採用情報から、入口の形を並べてみました。

会社の例観光バスの運転に関する入口免許がない人の道
はとバス観光バス運転職(中途)は大型二種免許の保有者が対象路線バス運転職(都営バスの運転業務)には大型二種の取得支援制度がある
名鉄観光バス普通免許取得から1年以上で、入社当初から正社員入社までに大型二種を取ることが採用の条件。取得支援制度あり
名鉄バス路線バスから始めて、貸切・高速・空港リムジンなどへステップアップできると記載普通免許で正社員入社でき、研修を約3ヶ月実施

はとバスの運転士

はとバスの運転士の募集は、観光バス運転職と路線バス運転職に分かれています。観光バス運転職(中途)の応募資格は大型二種免許の保有者で、大型一種のみの人は社員送迎バスの運転職に応募できると案内しています。

路線バス運転職は、東京都交通局から管理を受託している都営バスの運転業務です。こちらは普通免許取得後3年以上の人が大型二種免許取得支援制度を使えて、長野県の駒ヶ根自動車学校で合宿しながら取得します。

くわしくははとバスの観光バス運転職の募集ページで確かめてみてください。

名鉄観光バスの運転士

名鉄観光バスの運転士募集は、普通免許取得から1年以上(AT・MT問わず)で、年齢・学歴・経験不問と書かれています。60才以上は書類選考があります。

大型二種を持たない人は、入社までに取得することが採用の条件です。指定自動車学校の基本教習料の割引や借入制度があり、一定期間勤続すると基本教習料金のキャッシュバックがある(規定あり)と案内しています。

よくある失敗

「免許の費用は実質無料」とだけ読んで、勤続の条件や対象年齢を見落としてしまう形です。名鉄観光バスの制度は55歳以下が対象で、借入制度は東海3県内居住者のみと書かれています。条件の欄まで読んでおきましょう。

大型二種の取り方をくわしく知りたい方は、バスの運転士になるには?で3つのルートを比べています。

観光バスの運転士に向いている人のチェック

『自分に向いているのかな』と迷う方は、次の項目で考えてみてください。当てはまる数が多いほど、観光バスの働き方になじみやすいはずです。

向いている人のチェック
  • 初めての道や場所を下調べするのが苦にならない
  • 人と話したり、打ち合わせをしたりするのが好き
  • 泊まりの勤務があっても暮らしと両立できる
  • 時間に合わせて段取りを組むのが得意
  • 旅行や観光地に興味がある

観光バス以外のバス会社も含めて求人を比べたい時は、ドライバー転職サービスの選び方も参考にしてみてください。

運転士ドットコム

バスやトラックの運転士への転職を考えている方へ

バスやトラックなど運転の仕事は、会社によって免許取得の支援や勤務の形、休日の取り方が大きく違います。一人で求人票を見比べるのが大変な時は、ドライバー専門の転職支援サービスに無料で相談して、希望に合う求人や条件を確かめてみましょう。

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鉄道会社の運転士は、各社の公式の採用ページから応募するのが一般的です。転職支援サービスは主にバス・トラック・タクシーなどの運転の仕事を扱っています。

観光バスの運転士についてよくある相談

相談は「免許」と「路線バスとの比較」が中心

観光バスの運転士を目指す人からは、大型二種を自分で取れるか、路線バスとどちらがいいか、といった相談がよく寄せられます。

ここでは、よくある相談を3つ選んで答えていきます。

大型二種を免許試験場で直接取るのは難しい?

『観光バスの運転士になりたくて、大型二種を免許試験場で取ろうと思っています』という相談があります。

試験場で直接受ける方法もありますが、大型車の運転に慣れていない段階では、練習の場が限られます。会社の取得支援制度や、自動車学校に通う方法と比べてから決めてみてください。

観光バス会社によっては、大型二種の保有が応募の条件になっている例もあります。先に応募したい会社の募集要項を読んで、免許を取ってから応募するのか、入社前に会社の制度で取るのかを決めておくと遠回りしません。

観光バスと路線バス、どちらがいい?

『観光バスの運転士と路線バスの運転士はどっちがいいですか』という相談もよく見かけます。

どちらが上ということはなく、自分の暮らし方と好みで選ぶのがいちばんです。毎日家に帰りたい人は路線バス、旅行や長い距離の運転が好きな人は観光バスが合いやすいです。

名鉄バスのように、路線バスから始めて貸切や高速へステップアップできる会社もあります。最初の仕事を決める時は、その先の道も一緒に見ておきましょう。

狭い山道で対向車が来たらどうする?

『乗用車同士がやっとすれ違うような山道で、対向車が来たらマズいと思いますか』という相談です。

大きな観光バスにとって、狭い道は気をつかう場面です。だからこそ、行程を作る段階で通る道を確かめたり、すれ違える場所を頭に入れたりしておきます。

無理に進まず、広い場所で待つ判断も運転士の大事な仕事です。焦らない運転が、お客さまの安心につながりますよ。

よくある質問

観光バスの運転士に必要な免許は何ですか?

お客さまを乗せて大型の観光バスを運転するには大型二種免許が必要です。会社によっては取得の支援制度があります。

はとバスの運転士は大型二種免許がなくても応募できますか?

観光バス運転職(中途)の応募資格は大型二種免許の保有者です。路線バス運転職には大型二種免許取得支援制度があり、普通免許取得後3年以上の人が使えます。

観光バスの運転士は泊まりの仕事がありますか?

泊まりがけの旅行の運行がある場合があります。どのくらいあるかは会社や時期で変わるので、面接で聞いてみてください。

観光バスの運転士は1人で何百kmも運転しますか?

国土交通省の交替運転者の配置基準では、ワンマン運行の実車距離は昼間で原則500km、夜間で原則400kmまでが目安で、超える場合は交替の運転士を乗せます。

未経験からでも観光バスの運転士になれますか?

大型二種の保有を条件にする会社もありますが、名鉄観光バスのように入社までに大型二種を取ることを条件に普通免許から応募できる会社もあります。路線バスで経験を積んでから移る道もあります。

まとめ

この記事の要点
  • 観光バスの運転士は、毎回ちがう行き先へ団体のお客さまを運ぶ仕事
  • 路線バスとの違いは、行き先・泊まりの運行・ガイドや添乗員との連携
  • 運転する時間には改善基準告示と交替運転者の配置基準がある
  • はとバスの観光バス運転職(中途)は大型二種の保有者が対象
  • 免許がない人は、取得支援のある会社や路線バスから始める道がある
  • 応募の前に、支援制度の条件まで募集要項で確かめる
運転士ドットコム

運転士ドットコム 編集部

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