路線バスの運転士|市バス・コミュニティバスの仕事と目指し方

路線バスの運転士の仕事と、市バス・コミュニティバスとの違いを解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が国土交通省・厚生労働省・警察庁などの公的機関と、鉄道会社・バス会社・交通局の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。採用の区分や募集要項、制度は変わることがあるため、最新の情報は各社・各交通局の公式の採用ページで確認してください。

毎日の通勤や通学で乗る路線バス。あの運転席に座って、地域の足を支える仕事に興味がある方も多いですよね。

結論から言うと、路線バスの運転士は「決まった路線を時刻表どおりに、安全に走らせる」仕事です。市バスでもコミュニティバスでも、この中身は大きく変わりません。

この記事では、3つのバスの違いと、路線バス運転士の1日、未経験から目指す流れが分かります。

目次

路線バスの運転士はどんな仕事?

先に結論

路線バスの運転士は、決められた路線と停留所を時刻表どおりに走り、お客さまの乗り降りと運賃の受け取りまでを1人で担う仕事です。運転していない時間にも、点呼や点検といった安全のための仕事があります。

『運転がうまければ務まる仕事でしょ?』と思う方もいるかもしれません。

実は、路線バスの運転士の仕事は、運転だけでは終わらないんです。多くの路線バスは運転士が1人で乗務するので、車内の案内も、乗り降りの見守りも運転士の役目になります。

運転以外にしている主な仕事
  • 出勤時と勤務の終わりに点呼を受ける
  • 始業前と終業後に車両を点検する
  • 運賃の受け取りや、乗り方の案内をする
  • 車いすの方などの乗り降りを手伝う
  • 遅れや出来事を営業所に報告する

声かけも大事な仕事

バスに乗っていると、「発車します、おつかまりください」という声をよく聞きますよね。

立っているお客さまがいる時に急に動き出すと、転んでしまうことがあります。声をかけてから発車するのは、車内の安全を守るための大事なひと手間なんです。

バスの種類ごとの仕事の違いは、バス運転士の仕事内容でまとめています。

高速バスや観光バスとの違い

同じバスの運転士でも、高速バスや観光バスとは働き方がかなり違います。路線バスの特徴を、ほかのバスと比べて表にしました。

比べる点路線バス高速バス・観光バス
走る範囲営業所の近くの決まった路線長い距離や、毎回違う行き先
1日の乗務短めの便を何本も担当する1回の運行が長い
お客さまとの関わり毎日のように同じ人が乗ることも旅行や出張のお客さまが中心
帰宅営業所に戻って勤務を終える泊まりの勤務があることも

『毎日家に帰れる仕事がいい』という方には、路線バスの働き方が合いやすいです。反対に、長い距離を走りたい方は、高速バスや観光バスの求人も見てみると比べやすくなりますよ。

路線バス・市バス・コミュニティバスの違いを比べよう

先に結論

3つの違いは「どこが運営しているか」です。運転士の仕事の中身はよく似ていますが、雇われる先と採用の仕組みが変わります。

『市バスの運転士と、普通の路線バスの運転士って何が違うの?』と迷う方も多いはずです。

ここでは、運営する所・ダイヤ・車両・採用の入口の4つで並べてみました。応募先を考える時の目安にしてみてください。

比べる点民間の路線バス市バス(公営バス)コミュニティバス
運営する所バス会社市などの交通局市町村などが中心になって走らせることが多い
運転する人の雇い先バス会社交通局(運行を民間に任せる営業所もある)運行を任されたバス会社などが多い
ダイヤ会社が決めた路線と時刻交通局が決めた路線と時刻地域の暮らしに合わせた路線と時刻
車両大型の路線バスが中心大型の路線バスが中心小さめの車両が使われることも
必要な免許大型二種免許など大型二種免許など車両によって変わるので求人で確かめる
採用の入口会社の運転士採用交通局の職員採用運行するバス会社の求人
民間の路線バス・市バス・コミュニティバスの3つを、運営する所・雇い先・車両・採用の入口で比べた図解

市バスの運転士は交通局の職員

市バスの運転士は、京都市交通局や名古屋市交通局のように、市の交通局の職員として働きます。採用は交通局の試験で、民間のバス会社とは仕組みが違います。

例えば名古屋市交通局は、大型第二種免許を持っていない人を対象にした「養成型」の採用をしていて、免許の費用は交通局負担と案内しています。公営バスのくわしい採用の流れは、公営バスの運転士で紹介しています。

市バスでも運転は民間という例

実は、市バスや都営バスの中には、運行の一部を民間のバス会社に任せている営業所があるんです。

例えば、はとバスの路線バス運転職は、東京都交通局から管理を受託している都営バスの運転業務です。名鉄バスも、名古屋市交通局から受託する営業所があると採用ページで紹介しています。

『市バスを運転したいなら、交通局に入るしかない』と思い込まずに、受託している会社の求人も見てみると選択肢が広がりますよ。

コミュニティバスの運転士

コミュニティバスは、地域の中の細かい移動を支えるバスです。病院や役所、駅などを結ぶ路線が多く、地域のお年寄りがよく利用します。

コミュニティバスの運転士として働く時は、運行を任されているバス会社に雇われる形が多くなります。求人を探す時は「〇〇市 コミュニティバス 運行」で運行する会社を調べ、その会社の採用ページを見てみましょう。

車両と免許について

コミュニティバスには小さめの車両が使われることもあり、求人によって必要な免許が違う場合があります。応募の前に、募集要項の「必要な免許」の欄を読んでおきましょう。

路線バス運転士の1日と、働く時間のルール

先に結論

1日は、点呼と始業点検から始まり、何本かの便を担当して、終業点検と点呼で終わります。働く時間には、国の「改善基準告示」という基準があります。

運転席の姿しか見えないので、『ずっと運転しているのかな』と思いますよね。一般的な路線バスの1日の流れを、順番に見てみましょう。

路線バス運転士の1日(一般的な例)
  1. 営業所で点呼を受け、体調とその日の運行の注意点を確かめる
  2. 担当する車両の始業点検をする
  3. 時刻表どおりに何本かの便を運行する
  4. 便と便の間や途中の時間で休憩を取る
  5. 営業所に戻って車両を点検する
  6. 終業の点呼で、運行中の出来事を報告する

点呼では、例えばこんなやり取りがあります。「今日は駅前で工事があり、停留所が少し移っています」「分かりました、案内の放送を入れておきます」。

働く時間には国の基準がある

バスの運転者の働く時間には、厚生労働大臣の告示で決められた基準があります。2024年4月から適用されている主なルールは次のとおりです。

ルールバス運転者の基準(2024年4月から)
1日の拘束時間13時間以内(延長は最大15時間)
休息期間継続11時間を与えるよう努めるのが基本で、9時間を下回らない
運転時間2日平均で1日9時間以内
連続運転時間4時間を超えない

出典は厚生労働省の自動車運転者の労働時間等ポータルです。路線バスは朝早くから夜まで走るので、勤務の始まる時間は日によって変わることが多いですよ。

面接で聞いておきたいこと
  • 早番と遅番がどのように回るか
  • 1日に担当する便のおおよその数
  • 休憩を取る場所と時間の取り方
  • 営業所を異動することがあるか

未経験から路線バスの運転士を目指す流れ

先に結論

路線バスの運転士には大型二種免許が必要ですが、免許を持っていない人を対象にした養成制度を用意している会社や交通局は多くあります。普通免許からでも目指せる仕事です。

『大型二種なんて持っていないし、自分には無理かも』と感じていませんか。

職業情報提供サイトjob tagでは、大型二種の取得を支援する企業が増え、入社後の取得を条件に採用されるケースがあると紹介しています。就業前の訓練は1〜2か月で、営業所での実地試験に合格してから乗務に就く流れです。

今の状態考えられる道確かめたいこと
大型二種を持っている運転士として応募する実技試験の有無と研修の期間
普通免許を3年以上持っている会社や交通局の養成制度を使う費用の負担か貸与か、勤続の条件
普通免許を取って3年未満受験資格特例教習を使う特例教習の費用が支援の対象か
普通免許がAT限定限定解除をしてから、または支援を使うAT限定のまま応募できるか

大型二種免許は、本来21歳以上で、普通免許などの経歴が3年以上必要です。受験資格特例教習を修了すると、19歳以上・経歴1年以上で受験できます。

未経験から路線バスの運転士になるまで
  1. 募集要項で応募条件と養成制度を読む
  2. 応募して、面接や適性検査などの選考を受ける
  3. 自動車学校などで大型二種免許を取る
  4. 会社や交通局の研修で路線と運転を覚える
  5. 営業所での見極めに合格して、1人で乗務を始める
未経験から路線バスの運転士になるまでを、募集要項の確認・選考・大型二種の取得・研修・独り立ちの順に示した図解
よくある失敗

「免許代は会社負担」とだけ覚えて応募し、あとで勤続年数の条件を知って慌てる形です。何年働けば返さなくてよいかは、応募の前に読んでおきましょう。

免許の取り方を3つのルートで比べたい方は、バスの運転士になるには?をどうぞ。転職で運転の仕事を探していて、いくつかの会社をまとめて比べたい時はドライバー転職サービスの選び方も参考にしてみてください。

運転士ドットコム

バスやトラックの運転士への転職を考えている方へ

バスやトラックなど運転の仕事は、会社によって免許取得の支援や勤務の形、休日の取り方が大きく違います。一人で求人票を見比べるのが大変な時は、ドライバー専門の転職支援サービスに無料で相談して、希望に合う求人や条件を確かめてみましょう。

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鉄道会社の運転士は、各社の公式の採用ページから応募するのが一般的です。転職支援サービスは主にバス・トラック・タクシーなどの運転の仕事を扱っています。

路線バスの運転士についてよくある相談

不安は「道を覚えられるか」と「免許」

路線バスの運転士を目指す人からは、路線や停留所を覚えられるか、今の免許で目指せるか、といった相談がよく寄せられます。

ここでは、よくある相談を3つ選んで答えていきます。

路線や停留所の場所を覚えるのは大変?

『全部の停留所の場所を覚えているの?』『営業所を異動したら、また一から覚えるの?』という相談はよく見かけます。

路線を覚えるのは、研修の大事な中身の1つです。多くの会社では、指導役の運転士と一緒に乗って、路線や停留所、曲がる場所を少しずつ覚えていきます。

異動があるかどうかは会社によって違います。気になる時は、面接で「営業所の異動はどのくらいありますか」と聞いてみてください。

普通免許だけのフリーターでも目指せる?

『普通免許しか持っていないフリーターでも、路線バスの運転士になれますか』という相談もあります。

結論から言うと、目指せます。普通免許から応募できる養成制度を用意している会社や交通局は少なくありません。

ただし、AT限定のままで応募できるか、免許を取ってから何年たっているかの条件は会社ごとに違います。自分の免許証の取得日を見ながら、募集要項と照らし合わせてみましょう。

コミュニティバスの志望動機が思いつかない

『乗ったことのないコミュニティバスの運転士に応募したいけど、志望動機が浮かばない』という相談です。

そんな時は、実際にその路線に一度乗ってみるのがいちばんです。どんな人が、どこからどこへ乗っているかを見ると、自分の言葉で話せることが見つかります。

例えば「病院へ通うお年寄りが多い路線だと知り、乗り降りを丁寧に見守る運転をしたいと思いました」のように、見たことと自分の思いをつなげると伝わりやすいですよ。

よくある質問

路線バスの運転士に必要な免許は何ですか?

大型の路線バスを運転するには大型二種免許が必要です。持っていない人を対象にした養成制度を用意している会社や交通局もあります。

市バスの運転士は公務員ですか?

市の交通局の職員として採用される場合は、交通局の職員になります。運行を民間に任せている営業所では、受託したバス会社の社員として働きます。

コミュニティバスの運転士の求人はどこで探せますか?

コミュニティバスは運行を任されたバス会社が運転することが多いので、その会社の採用ページやハローワークで探せます。

路線バスの運転士の年収はどのくらいですか?

job tagの路線バス運転士のページでは、令和7年賃金構造基本統計調査を加工した全国の年収が453.1万円と表示されています。会社や地域によって違います。

路線バスの運転士は何歳から目指せますか?

大型二種免許は本来21歳以上で普通免許などの経歴3年以上が必要ですが、受験資格特例教習を修了すると19歳以上・経歴1年以上で受験できます。応募できる年齢は会社ごとの募集要項で確かめてください。

まとめ

この記事の要点
  • 路線バスの運転士は、決まった路線を時刻表どおりに安全に走らせる仕事
  • 民間の路線バス・市バス・コミュニティバスの違いは、主に運営する所と雇い先
  • 市バスでも、運行を民間のバス会社に任せている営業所がある
  • 働く時間には改善基準告示という国の基準がある
  • 普通免許からでも、養成制度を使えば目指せる
  • 応募の前に、免許の条件と費用の条件を募集要項で確かめる
運転士ドットコム

運転士ドットコム 編集部

電車・バス・路面電車などの運転士の仕事内容、必要な免許、運転士になるまでの道のり、鉄道会社・バス会社の採用の入口、転職の進め方を、運転士を目指す人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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