バス運転士の仕事内容|路線・高速・観光の違いと1日の流れ

バス運転士の仕事内容を、路線・高速・観光バスの違いと1日の流れで解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が国土交通省・厚生労働省・警察庁などの公的機関と、鉄道会社・バス会社・交通局の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。採用の区分や募集要項、制度は変わることがあるため、最新の情報は各社・各交通局の公式の採用ページで確認してください。

毎日乗っているバスでも、運転士さんがどんな1日を過ごしているのかは、意外と知らないものですよね。

結論から言うと、バス運転士の仕事は「お客さまを安全に、時間どおりに運ぶこと」が中心で、路線・高速・観光・送迎のどれに乗るかで1日の過ごし方が大きく変わります。

この記事では、バスの種類ごとの違いと、路線バスの1日の流れ、働く時間のルールまで分かります。

目次

「バスの運転士」と「運転手」、呼び方は何が違う?

先に結論

「運転士」と「運転手」は、どちらもバスを運転する人を指す呼び方です。会社によって採用ページや社内での呼び方が違うだけで、仕事の中身が変わるわけではありません。

『運転士と運転手って、資格が違うのかな』と気になったことはありませんか。

実は、バス会社の採用ページを見ると「バス運転士」と書く会社もあれば、「バス運転手」と書く会社もあります。同じ会社の中で、職名としては運転士、求人の見出しでは運転手、と使い分けている例もあるんです。

呼び方よく見かける場面受け取り方のポイント
運転士バス会社や交通局の職名、社内の呼び方「士」は専門の技能を持つ人というニュアンス
運転手求人の見出し、日常会話親しみのある一般的な言い方
乗務員会社の案内や求人運転以外の乗務も含めた広い呼び方

求人を探す時は、「運転士 バス」と「バス 運転手」の両方で検索してみると取りこぼしが減りますよ!

電車の運転士との違いは免許

電車の運転士は、国の動力車操縦者運転免許を取って列車を動かします。一方、バス運転士に必要なのは、警察の運転免許のうち、お客さまを乗せて走るための第二種免許です。

同じ「運転士」でも、取る免許も入社してからの道のりも別物なんです。電車とバスの違いをまとめて知りたい方は運転士とは?から読んでみてください。

求人を読む時は「中身」で比べる

呼び方よりも大事なのは、求人に書かれている仕事の中身です。同じ「バス運転士」の募集でも、路線バスなのか、高速バスなのか、送迎バスなのかで働き方が変わります。

求人を読む時に見るところ
  • 乗るバスの種類(路線、高速、観光、送迎)
  • 応募に必要な免許と、取得の支援があるか
  • 雇用の形(正社員、契約社員、パートなど)
  • 入社後の研修の期間と内容

路線・高速・観光・送迎バスの違いを比べよう

先に結論

バス運転士の仕事は、路線バス、高速バス、観光バス(貸切バス)、送迎バスの4つに分けると分かりやすいです。走る道、乗務の長さ、お客さまとの関わり方がそれぞれ違います。

『バスの運転士って、どれも同じような仕事でしょ?』と思う方も多いはずです。

でも、地域を細かく回る路線バスと、長い距離を走る高速バスでは、1日の流れも気をつけることもまるで違います。4つを並べてみました。

比べる点路線バス高速バス観光バス(貸切)送迎バス
走る道決まった路線の一般道高速道路が中心の長い区間行き先は予約ごとに変わる決まった区間の往復が多い
乗務の長さ1日に何本もの便を担当1回の運行が長い日帰りから泊まりがけまで朝夕など時間帯が限られることも
お客さまとの関わり運賃の受け取り、案内、乗り降りの見守り乗車の受付や休憩の案内団体のお客さまや添乗員と行程を進める同じ利用者を毎日乗せることが多い
主な免許大型二種免許など大型二種免許など大型二種免許など求人による(社員送迎は一種で応募できる例も)
覚えること路線、停留所、時刻経路、休憩場所、交替のルール観光地への道、駐車場所利用者の顔ぶれと乗降場所
路線バス・高速バス・観光バス・送迎バスの4種類を、走る道・乗務の長さ・お客さまとの関わり・免許で比べた図解

路線バスは地域の足

路線バスは、決められた路線を時刻表どおりに走ります。停留所ごとに乗り降りがあり、運賃の受け取りや車内の案内も運転士の仕事です。

通勤や通学、病院への行き帰りなど、地域の生活を支えているのが路線バスなんです。市バスやコミュニティバスの仕事は路線バスの運転士で詳しく紹介しています。

高速バスは長い距離を安全に

高速バスは、都市と都市を結ぶ長い距離を走ります。夜行便では、決まった距離を超えると交替運転者を乗せるルールが国によって定められています。

運転の時間が長い分、休憩や交替の段取りがとても大事になります。交替のルールは高速バス・夜行バスの運転士でまとめています。

観光バスは行程を一緒に作る

観光バスは、団体のお客さまを乗せて観光地をめぐる仕事です。行き先が毎回変わるので、初めての道や大きな駐車場への出入りにも対応します。

添乗員やガイドと打ち合わせをしながら、1日の行程を一緒に進めていくのが特徴ですね。観光バス会社での働き方は観光バスの運転士の仕事で紹介しています。

送迎バスは決まった利用者を運ぶ

送迎バスは、会社の従業員や施設の利用者などを決まった区間で運ぶ仕事です。

例えば、はとバスの募集では、大型一種免許のみの人は社員送迎バスの運転職に応募できると案内しています。送迎の求人は免許の条件が会社ごとに違うので、募集要項で確かめておきましょう。

自分に合うのはどのバス?見分け方の目安

『4種類あるのは分かったけど、自分はどれに向いているんだろう』と迷う方もいますよね。

この記事で考えた目安を表にしました。あくまで入口の考え方なので、気になったものから求人を見てみてください。

こんな人合いやすいバス理由
地元で働きたい、毎日家に帰りたい路線バス営業所を起点に決まった路線を走るため
長い距離の運転が好き高速バス1回の運行で長い区間を走るため
旅行や観光地が好き、人と話すのが好き観光バスお客さまや添乗員と行程を進めるため
短い時間で働きたい送迎バス朝夕など時間帯が限られる求人があるため
まず経験を積みたい路線バス研修を受けて路線から始める会社が多いため

例えば名鉄バスの採用ページでは、路線バスから始めて、貸切・高速・空港リムジンなどへステップアップできると紹介しています。最初は路線バスで経験を積み、あとから別の種類に移るという道もあるんです。

路線バス運転士の1日の流れ

先に結論

路線バスの1日は、出勤後の点呼と車両の点検から始まり、何本かの便を担当して、終わったら点検と点呼で締めくくる流れが基本です。運転していない時間にも、安全のための仕事がたくさんあるんです。

運転席に座っている姿しか見えないので、『乗っている時間がほとんどなのかな』と思いますよね。

実は、ハンドルを握る前と後にも、決まった手順があります。ここでは、路線バスの運転士の一般的な1日を順番に見ていきましょう。

路線バスの1日(一般的な例)
  1. 出勤したら営業所で点呼を受け、体調やその日の運行を確かめる
  2. 担当する車両の始業点検をして、異常がないか見ていく
  3. 営業所を出て、決められた便を時刻表どおりに運行する
  4. 便と便の間や途中の時間で休憩を取る
  5. 最後の便を終えたら営業所に戻り、車両の点検をする
  6. 終業の点呼を受け、運行中の出来事を報告して勤務を終える
路線バス運転士の1日を、点呼・始業点検・運行・休憩・終業点検・終業点呼の順に示した図解

点呼は安全のための大事な時間

点呼では、運行を管理する人と顔を合わせて、体調や運行の注意点を確かめ合います。

例えば、こんなやり取りがあります。「今日は工事で一部の道が片側通行です」「分かりました、遅れが出たら無線で連絡します」。短い会話ですが、その日の安全を左右する大切な時間です。

勤務は早朝や夜になることも

路線バスは朝早くから夜まで走るので、勤務の始まる時間は日によって変わります。早朝から昼過ぎまでの日もあれば、昼から夜までの日もある、という形が一般的です。

『毎日同じ時間に帰れるわけじゃないのか』と感じた方もいるかもしれません。勤務の組み方は会社ごとに違うので、採用ページや面接で確かめておくと安心ですよ。

運転以外にしている仕事
  • 点呼で体調と運行の注意点を確かめる
  • 始業前と終業後に車両を点検する
  • 運賃の受け取りと乗り方の案内をする
  • 車いすの方などの乗り降りを手伝う
  • 運行中の出来事を営業所に報告する

乗務中に気をつけていること

運転中のバス運転士は、前の道だけを見ているわけではありません。車内の様子をミラーで確かめながら、お客さまが座るまで発車を待つこともあります。

例えば「発車します、おつかまりください」という声かけは、よく耳にしますよね。

「次は終点です、お忘れ物のないようご注意ください」という案内もそうです。こうした声かけも、車内での転倒や忘れ物を防ぐための大事な仕事なんです。

乗務中に見ているところ
  • 前方の道路と、歩行者や自転車の動き
  • 車内ミラーで立っているお客さまの様子
  • 停留所で待っているお客さまの有無
  • 時刻表とのずれと、次の停留所までの時間

働く時間はどう決まっている?改善基準告示のルール

先に結論

バス運転士の働く時間には、厚生労働大臣の告示である「改善基準告示」で上限が決められています。2024年4月から見直された基準が使われています。

『長い時間ずっと運転し続けるんじゃないの?』と心配になる方もいますよね。

バスの運転者には、拘束時間や休息の取り方に国のルールがあります。厚生労働省の「自動車運転者の労働時間等ポータル」の内容から、主なところを抜き出しました。

項目バス運転者の基準(2024年4月から)
拘束時間(1年・1か月)1年3,300時間以内、かつ1か月281時間以内(貸切バス等の例外あり)
拘束時間(1日)13時間以内、延長しても最大15時間
休息期間継続11時間を与えるよう努めることが基本で、9時間を下回らない
運転時間2日平均で1日9時間以内、4週平均で1週40時間以内
連続運転時間4時間を超えない(高速バス・貸切バスの高速道路の実車運行区間はおおむね2時間まで)

ここで出てくる「拘束時間」は、運転している時間だけでなく、休憩も含めて会社にいる時間のことです。詳しい内容は厚生労働省 自動車運転者の労働時間等ポータル(バス)で確かめられます。

休息期間ってどういうこと?

休息期間は、勤務が終わってから次の勤務が始まるまでの、自由に過ごせる時間のことです。

例えば、夜に勤務を終えた人が、次の日の朝早くから勤務に入る場合も、この休息期間を空けなければいけません。継続11時間を基本に、少なくとも9時間は空けるルールなので、しっかり眠る時間が守られるようになっています。

高速バスは交替運転者のルールもある

高速バスや貸切バスには、国土交通省が2013年に定めた交替運転者の配置基準があります。ワンマン運行の実車距離は、昼間は一運行で原則500kmまで、夜間は原則400kmまでとされています。

これを超える運行では、交替の運転者を乗せることになっています。長い距離を一人で走り続けないための仕組みなんです!

補足

改善基準告示は、会社が守るべき上限を決めたものです。実際の勤務の組み方は会社や営業所ごとに違うので、気になる人は採用面接で勤務の例を聞いてみてください。

数字で見るバス運転士の働き方

先に結論

国の統計では、路線バス運転士の年収は453.1万円、月の労働時間は168時間、平均年齢は56歳と示されています。若い人や女性が少ない分、各社が採用に力を入れているんです。

『実際のところ、どのくらいの人が、どんなふうに働いているの?』と気になりますよね。

ここでは、job tag(厚生労働省の職業情報提供サイト)と国土交通白書の数字を見てみます。

項目数字出所
年収(路線バス運転士)453.1万円job tag(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)
月の労働時間168時間同上
年齢56歳同上
バス運転者数約12万人(2021年度)令和5年版国土交通白書 関連データ集
バス運転者の平均年齢53.4歳(2022年)同上

job tagの値は「その職業だけの統計とは限らない」と注記されているので、全体の目安として見てください。会社や地域、勤務の形で収入は変わります。

入社後は訓練を受けてから乗務する

job tagでは、路線バス運転士の就業前訓練は1〜2か月で、接遇や運転の実地訓練、路線や地理を学ぶと紹介されています。訓練の修了時に営業所での実地試験に合格してから、業務に就く流れです。

大型二種免許の取得を支援する会社も増えていて、入社後に取ることを条件に採用するケースもあるそうです。免許の取り方はバスの運転士になるにはで順番に説明しています。

よくある思い込み

「大型二種免許がないと応募できない」と思い込んで、最初からあきらめてしまう人がいます。普通免許で応募できる会社もあるので、まずは気になる会社の募集要項を読んでみましょう。

運転士のあとのキャリアもある

バス運転士として経験を積んだあと、別の役割に進む道を用意している会社もあります。

例えば、JRバス関東のFAQでは、運転士から指導運転士・運行管理者・現業管理者へのキャリアアップが可能と書かれています。京王バスのFAQでも、路線バスから高速バスの乗務員や運行管理者へ進んだ例を紹介しています。

役割どんな仕事か
指導運転士新人の運転士に同乗して、運転や接客を教える
運行管理者点呼や勤務の組み方など、安全な運行を管理する
現業管理者営業所などの現場をまとめる

運転を続けたい人も、教える側や管理する側に回りたい人も、選べる道があるのは心強いですよね。

バス運転士についてのよくある相談

先に結論

よくある相談は、運転の技術、お客さまとのやり取り、目指す時の年齢などです。どれも、仕事の中身を知ると不安が小さくなります。

バス運転士の仕事は身近な分、気になることも多いですよね。ここでは、Q&Aサイトでよく見かける相談を要約して答えます。

相談1:バスの運転技術ってどうしてあんなにすごいの?

狭い道でも大きな車体をすっと曲げていく運転を見て、どうしてあんなことができるのか、という質問があります。

バス運転士は、免許を取った後も、会社の研修で車両の感覚や路線の特徴を何度も練習してから乗務に就きます。毎日同じ路線を走る中で、どこで大回りするか、どこで速度を落とすかが体に入っていくんです。

相談2:理不尽なお客さまにどう対応したらいい?

路線バスで、運賃の払い方が分からず焦ったお客さまに案内したところ、きつく言い返されてしまった、という運転士側の相談も見かけます。

こんな時は、言い方を少し変えるだけで伝わり方が変わることがあります。例えば「小銭はこちらへどうぞ。お札はこちらで両替できます」と、指で示しながら短く伝える方法です。

困った時は一人で抱え込まずに、営業所に報告して相談しましょう。

相談3:バス停に止まっている車はどうしている?

バス運転士になったばかりの方から、バス停に路上駐車している車をよく見かけるが、どう対応すればいいか、という相談もあります。

運転中に自分で何とかしようとせず、まずはお客さまを安全に乗せ降りさせることを優先します。対応に迷う時は、営業所に報告して、会社としての対応の仕方を確かめておくと安心です。

相談4:19歳で普通免許。バス運転士を目指せる?

19歳で普通免許を持っていて、バス運転士を目指している、という相談もあります。

警察庁の受験資格特例教習を修了すると、19歳以上かつ普通免許等の期間が通算1年以上で大型二種免許を受験できます。会社によっては若い人向けの養成制度もあるので、採用ページで年齢と免許の条件を見てみてください。

運転士ドットコム

バスやトラックの運転士への転職を考えている方へ

バスやトラックなど運転の仕事は、会社によって免許取得の支援や勤務の形、休日の取り方が大きく違います。一人で求人票を見比べるのが大変な時は、ドライバー専門の転職支援サービスに無料で相談して、希望に合う求人や条件を確かめてみましょう。

無料ドライバー専門の転職支援サービスを見る

鉄道会社の運転士は、各社の公式の採用ページから応募するのが一般的です。転職支援サービスは主にバス・トラック・タクシーなどの運転の仕事を扱っています。

今の仕事からバス運転士への転職を考えている方は、ドライバー転職サービスの選び方も読んでみてください。仕事の大変さが気になる方にはバスの運転士はきつい?も参考になります。

よくある質問

バス運転士と運転手は違う仕事ですか?

同じ仕事を指す呼び方です。会社によって職名や求人の書き方が違うだけなので、仕事の中身は募集要項で確かめましょう。

バス運転士になるにはどんな免許が必要ですか?

お客さまを乗せて走る大型バスには、大型二種免許などの第二種免許が必要です。入社前後に会社の支援で取れる会社もあります。

路線バスと高速バス、どちらが大変ですか?

大変さの種類が違います。路線バスは停留所の多さやお客さまへの対応、高速バスは長い距離と時間の管理に気を使います。自分に合う方を考えてみてください。

バス運転士の勤務時間はどのくらいですか?

改善基準告示で、1日の拘束時間は13時間以内、延長しても最大15時間と決められています。実際の勤務の組み方は会社ごとに違います。

まとめ

この記事の要点
  • 運転士と運転手は同じ仕事を指す呼び方で、会社ごとに使い方が違う
  • 路線、高速、観光、送迎の4つで、走る道や1日の流れが大きく変わる
  • 路線バスの1日は点呼と点検に始まり、点検と点呼で終わる
  • 働く時間は改善基準告示で上限が決まっていて、2024年4月から見直された
  • 大型二種免許がなくても応募できる会社があり、入社後の訓練を経て乗務する
運転士ドットコム

運転士ドットコム 編集部

電車・バス・路面電車などの運転士の仕事内容、必要な免許、運転士になるまでの道のり、鉄道会社・バス会社の採用の入口、転職の進め方を、運転士を目指す人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次