バス運転士はきつい?大変な点とやりがい・かっこいいと言われる理由

バス運転士はきついと言われる点と、やりがいやかっこいいと言われる理由を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が国土交通省・厚生労働省・警察庁などの公的機関と、鉄道会社・バス会社・交通局の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。採用の区分や募集要項、制度は変わることがあるため、最新の情報は各社・各交通局の公式の採用ページで確認してください。

バスの運転士に興味があるけれど、「きつい仕事だよ」と聞いて、一歩を踏み出せずにいませんか。

結論から言うと、バス運転士がきついと言われるのは、早朝からの勤務、長く座っての運転、お客さまの安全を預かる責任の3つが重なるからです。ただ、どれも働く時間のルールや職場の工夫、自分でできる対策で軽くできる部分があります。

この記事を読むと、大変な点とその対策、続けている人が感じるやりがい、続けやすい職場の見分け方まで分かります。

目次

バス運転士がきついと言われるのはどんなところ?

先に結論

バス運転士の大変さは「時間」「体」「気持ち」の3つに分けると見えやすくなります。それぞれに、職場のルールや自分の工夫でできる対策があるんです。

『結局、何がそんなにきついの?』と思いますよね。

「きつい」という一言には、いろいろな大変さが混ざっています。この記事では、それを時間、体、気持ちの3つに分けて、対策と一緒に並べてみました。

分け方よく言われる大変さ職場の仕組みでの対策自分でできる対策
時間早朝や夜の勤務、日によって始まる時間が違う改善基準告示による拘束時間と休息期間の上限勤務表に合わせて寝る時間を決めておく
時間1日の拘束時間が長くなる日がある1日13時間以内、延長は最大15時間のルール休憩時間にしっかり体を休める
体長い時間座ったままの運転連続運転は4時間を超えないルール休憩のたびに軽く体を伸ばす
体体調を崩すと乗務できない乗務前の点呼で体調を確かめる食事と睡眠のリズムを整える
気持ちお客さまの安全を預かる責任研修と指導運転士の同乗で段階的に慣れる迷った時は営業所に報告して相談する
気持ちお客さまからのきつい言葉営業所への報告と相談の仕組み案内の言い方を短く分かりやすくする
バス運転士の大変さを、時間・体・気持ちの3つに分けて、職場の対策と自分でできる対策を並べた図解

時間のきつさ:早朝と夜の勤務

路線バスは朝早くから夜まで走るので、勤務の始まる時間が日によって変わります。早い日は始発の便に合わせて出勤し、遅い日は夜の便まで乗務する、という形が一般的です。

『毎日同じ時間に寝起きできないのはつらそう』と感じる方も多いはずです。ここは、慣れるまでに少し時間がかかるところかもしれません。

ただ、早番の日は午後が自由になるなど、平日の昼間に時間ができる良さもあります。勤務の組み方は会社ごとに違うので、面接で勤務の例を聞いてみてください。

勤務に合わせた過ごし方の工夫

早朝と夜の勤務が入れ替わる生活では、前の日の過ごし方がカギになります。この記事で考えた、勤務ごとの過ごし方の目安を表にしました。

次の日の勤務前の日の過ごし方当日の工夫
早番(朝が早い)夕食を早めにすませ、いつもより早く寝る出勤前に軽く食べて体を起こす
遅番(夜まで)いつもどおりの時間に寝る午前中は体を休め、勤務前に食事をとる
休み勤務の疲れが残らないよう睡眠を優先次の勤務の時間に合わせて起きる時間を決める

『そんなにうまく寝られるかな』と思うかもしれませんね。最初は思いどおりにいかなくても、勤務表を早めに見て予定を立てるだけで、だいぶ楽になりますよ。

体のきつさ:座りっぱなしと体調管理

運転中は、長い時間座ったままになります。腰や肩が疲れやすいのは、運転の仕事に共通する大変さですよね。

バス運転士の場合、乗務の前に点呼で体調を確かめてから運転に入ります。体調がすぐれない時は、無理をせずに申し出ることが、お客さまの安全にもつながるんです。

気持ちのきつさ:責任とお客さま対応

バスには、たくさんのお客さまが乗っています。立っているお客さまが転ばないよう、発車や停車の時にも気を配り続けます。

お客さまとのやり取りで、思いがけない言葉を受けることもあります。こうした時に一人で抱え込まず、営業所に報告して相談できるかどうかが、続けやすさを左右するんです。

2024年4月の見直しで変わった働く時間のルール

先に結論

バス運転士の働く時間は、厚生労働大臣の告示「改善基準告示」で上限が決められています。2024年4月1日から見直した基準が適用され、拘束時間や休息期間のルールが新しくなりました。

『長い時間働かされるんじゃないの?』という心配、ありますよね。

バスの運転者には、国が決めた働く時間のルールがあります。令和4年12月に見直され、令和6年(2024年)4月1日から適用されている今の基準を、厚生労働省のポータルサイトの内容から抜き出しました。

項目今の基準(2024年4月から)
拘束時間(1年)3,300時間以内(貸切バス等の例外は3,400時間)
拘束時間(1か月)281時間以内(貸切バス等の例外は294時間、年6か月まで)
拘束時間(1日)13時間以内、延長しても最大15時間
休息期間継続11時間を与えるよう努めることが基本で、9時間を下回らない
運転時間2日平均で1日9時間以内、4週平均で1週40時間以内
連続運転時間4時間を超えない(高速バス・貸切バスの高速道路の実車運行区間はおおむね2時間まで)

詳しくは厚生労働省 自動車運転者の労働時間等ポータル(バス)で確かめられます。

休息期間って何のこと?

休息期間は、勤務が終わってから次の勤務が始まるまでの、自由に使える時間のことです。

例えば、夜に勤務を終えて、次の日の朝に早く出勤する場合でも、この時間を空けなければいけません。今の基準では継続11時間を与えるよう努めるのが基本なので、睡眠の時間が守られやすくなっています。

拘束時間と運転時間はどう違う?

表に出てくる「拘束時間」と「運転時間」は、似ているようで中身が違います。

拘束時間は、出勤してから勤務が終わるまでの、休憩も含めた全体の時間です。運転時間は、そのうち実際にハンドルを握っている時間のことです。例えば、1日の拘束時間が長い日でも、その中に休憩や待ち時間が入っていることがあるんです。

高速バスには交替のルールもある

高速バスや貸切バスには、国土交通省が2013年に定めた交替運転者の配置基準もあります。ワンマン運行の実車距離は、昼間は原則500kmまで、夜間は原則400kmまでです。

これを超える運行では、交替の運転者を乗せることになっています。高速バスの働き方は高速バス・夜行バスの運転士で詳しく紹介しています。

補足

改善基準告示は、会社が守る上限を決めたものです。実際の勤務がどう組まれているかは会社や営業所で違うので、気になる人は面接で月の勤務の例を見せてもらうと分かりやすいですよ。

それでもバス運転士を続ける人が感じるやりがい

先に結論

バス運転士のやりがいは、地域の生活を支えていること、お客さまから直接「ありがとう」をもらえること、運転の技術が身につくことにあります。大変さと同じくらい、この仕事ならではの手ごたえがあるんです。

大変な点ばかり聞くと、『どうしてみんな続けているんだろう』と不思議に思いますよね。

実は、バス運転士の仕事には、毎日の中で感じられるやりがいがたくさんあります。よく聞く場面を並べてみました。

やりがいを感じやすい場面
  • 降りる時にお客さまから「ありがとう」と声をかけられた
  • 雨や雪の日も、時刻どおりにお客さまを運べた
  • 通学の子どもたちに毎朝あいさつしてもらえる
  • 狭い道や混んだ交差点を、なめらかに走れるようになった
  • 新人の頃に教わった先輩のように、後輩に教えられるようになった

地域の足を支えているという手ごたえ

路線バスは、通勤や通学、病院への行き帰りなど、地域の暮らしに欠かせない乗り物です。

自分が担当した便で、毎日同じお客さまが乗ってくると、『この人の毎日を支えているんだな』と感じる場面があります。目に見える形で人の役に立てるのは、この仕事の大きな魅力です。

技術が身についていく楽しさ

大きなバスを思いどおりに動かせるようになるまでには、研修と経験が必要です。そのぶん、上達していく手ごたえも大きいんです!

運転士として経験を積んだあとは、指導運転士や運行管理者などに進む道を用意している会社もあります。例えばJRバス関東のFAQでは、運転士から指導運転士・運行管理者・現業管理者へのキャリアアップが可能と書かれています。

お客さまの言葉が励みになる

例えば、こんな場面です。終点で降りる年配のお客さまが「いつも丁寧な運転でありがとう」と声をかけてくれる。

運転士にとっては、何気ない一言でも、その日の疲れが軽くなるものです。お客さまと直接顔を合わせる仕事だからこそ得られる手ごたえですね。

バス運転士がかっこいいと言われる理由

先に結論

バス運転士がかっこいいと言われるのは、制服姿、大きな車体を操る技術、落ち着いた案内の3つが目に入りやすいからです。どれも、毎日の仕事の積み重ねから生まれています。

バスに乗っていて、運転士さんの姿に『かっこいいな』と思ったことがある方も多いはずです。

Q&Aサイトでも、バス運転士はなぜかっこいいのか、という質問がよく寄せられています。かっこよく見える理由を、仕事の中身と一緒に見てみましょう。

かっこよく見えるところ仕事の中身
制服と帽子お客さまに安心感を持ってもらうための身だしなみ
大きな車体をなめらかに曲げる運転研修と毎日の乗務で身につけた車両の感覚
落ち着いた車内の案内「発車します、おつかまりください」などの安全のための声かけ
渋滞や雪の日にも慌てない姿時刻と安全の両方を考えた判断

運転の技術が目に見える仕事

狭い道で大きなバスを曲げていく運転を見て、「どうしてあんなことができるの?」と驚いたことはありませんか。

バスは車体が長いので、曲がる時の後輪の通り道や、車体の後ろの張り出しまで考えて動かします。こうした技術が、お客さまの目の前で見えるのもバス運転士の仕事の特徴なんです。

憧れから目指すのも自然なこと

『かっこいいからなりたい、というのは志望動機として弱いかな』と迷う方もいますよね。

憧れはきっかけとして自然なものです!ただ、面接では、その憧れを仕事の中身と結びつけて話せると伝わりやすくなります。例えば「乗客の安全を守りながら時刻どおりに走る運転士の姿を見て、自分もその責任ある仕事をしたいと思った」という伝え方です。

観光バスや高速バスのかっこよさ

観光バスの運転士になって2年たち、まだ学ぶことが山のようにある、という声もQ&Aサイトで見かけます。

観光バスは、初めての道や大きな駐車場でも、団体のお客さまを安全に目的地まで運びます。高速バスは、長い距離を決められた時間で走り切ります。路線バスとはまた違う技術と責任があって、そこに憧れる人も多いんです。

続けやすい職場を見分けるチェック

先に結論

きつさの感じ方は、職場によっても変わります。研修の手厚さ、勤務の組み方、相談のしやすさ、休憩の設備、免許費用の条件を、応募の前に確かめておきましょう。

同じバス運転士でも、『前の会社より今のほうが働きやすい』と感じる人がいるように、職場の違いは大きいものです。

応募の前に、次のポイントを採用ページや面接で確かめてみてください。

続けやすい職場を見分けるチェック
  • 研修の期間と、指導運転士が同乗する期間が書かれているか
  • 勤務の例(早番、遅番、休日)を見せてもらえるか
  • 困った時に相談できる上司や窓口があるか
  • 営業所の休憩室や仮眠室が整っているか
  • 免許費用の支援に勤続の条件があるか、何年か
  • 独り立ちしたあとのフォロー研修があるか
続けやすいバス会社を見分けるために、研修・勤務の例・相談窓口・設備・免許費用の条件・フォロー研修を確かめるチェックの図解

例えば相鉄バスは、単独乗務を始めたあとも2カ月のフォローアップ研修や、1・3・6・10年目の定期教育があると紹介しています。神奈川中央交通も、デビュー後に3カ月・6カ月・1年・1.5年のフォロー研修があると書いています。

独り立ちしたあとも学ぶ機会がある職場は、不安を相談しやすいですよね。未経験から目指す道のりはバスの運転士になるにはで詳しく紹介しています。

体験会で職場の空気を知る

採用ページを読むだけでは、営業所の雰囲気までは分かりにくいですよね。

阪神バスのように普通免許の人も対象にしたバス運転体験会を開いている会社や、京都市交通局のように市バス運転体験会を開いている交通局もあります。実際のバスに触れて、働いている人と話してみると、きつさもやりがいも具体的に想像しやすくなります。

収入の目安も見ておこう

続けやすさを考える時は、収入の目安も気になるところです。job tagでは、令和7年賃金構造基本統計調査をもとに、路線バス運転士の年収を453.1万円、月の労働時間を168時間と示しています。

会社や地域、勤務の形で変わるので、全体の目安として見てください。電車やトラックとの比べ方は運転士の年収・給料でまとめています。

運転士ドットコム

バスやトラックの運転士への転職を考えている方へ

バスやトラックなど運転の仕事は、会社によって免許取得の支援や勤務の形、休日の取り方が大きく違います。一人で求人票を見比べるのが大変な時は、ドライバー専門の転職支援サービスに無料で相談して、希望に合う求人や条件を確かめてみましょう。

無料ドライバー専門の転職支援サービスを見る

鉄道会社の運転士は、各社の公式の採用ページから応募するのが一般的です。転職支援サービスは主にバス・トラック・タクシーなどの運転の仕事を扱っています。

今の職場が合わずに転職を考えている方や、条件の確認を誰かに手伝ってほしい方は、ドライバー転職サービスの選び方も読んでみてください。

バス運転士のきつさについてよくある相談

先に結論

よくある相談は、路線バスは過酷か、路線と観光や貸切ではどちらが大変か、地域で違うのか、などです。どれも「何がきついか」を分けて考えると答えやすくなります。

バス運転士のきつさについては、Q&Aサイトでもよく質問が寄せられています。よく見かける相談を、要約して答えます。

相談1:路線バスの運転士はきつい?過酷?

路線バスの運転士はきついのか、過酷な仕事なのか、という質問は特に多いです。

早朝や夜の勤務、お客さまへの対応、時刻を守る責任など、大変な点があるのは確かです。一方で、働く時間には改善基準告示の上限があり、研修で段階的に慣れていく仕組みもあります。この記事の表を見ながら、自分にとって何がいちばん不安かを考えてみてください。

相談2:路線バスと観光・貸切バス、どちらが大変?

路線バスは観光バスや貸切バスより過酷なのか、という相談もあります。

大変さの種類が違う、と考えると分かりやすいです。路線バスは停留所の多さやお客さまの乗り降りへの気配り、観光・貸切バスは初めての道や長い行程への対応に気を使います。バスの種類ごとの仕事の違いはバスの運転士の仕事内容で比べています。

相談3:地域によってきつさは違う?

ある地域の路線バスはきついから、別の県で運転士になったほうがいい、と聞いた、という相談も見かけます。

きつさは、地域よりも、会社や営業所の勤務の組み方、走る路線の混み具合で変わることが多いです。気になる会社があれば、勤務の例や研修の中身を面接で聞いてみるのがいちばん確かな方法です。

同じ会社でも、営業所によって走る路線や勤務の組み方が違うことがあります。配属先がどこになりそうかも、あわせて聞いておくと安心ですね。

相談4:20代で正社員を探している。バス運転士はどう?

20代後半で都内に住み、正社員の仕事を探していて、バス運転士に興味がある、という相談もあります。

普通免許で応募でき、入社前後に会社の支援で大型二種免許を取れる会社は多くあります。体験会に参加したり、勤務の例を聞いたりして、自分の生活に合うかを確かめてから決めると、入社後のギャップが小さくなりますよ。

よくある質問

バス運転士で一番きついのは何ですか?

人によって違いますが、早朝や夜の勤務、長く座っての運転、お客さまの安全への責任がよく挙げられます。時間、体、気持ちのどれが不安かを分けて考えると、対策を立てやすくなります。

2024年4月から何が変わりましたか?

改善基準告示が見直され、バス運転者の拘束時間は1年3,300時間以内・1か月281時間以内、休息期間は継続11時間を基本に9時間を下回らない、などの新しい基準が適用されています。

未経験でもやっていけますか?

多くの会社が、免許取得の支援と数か月の研修、指導運転士の同乗を経て独り立ちする流れを用意しています。独り立ちのあとにフォロー研修がある会社もあります。

きついと感じた時はどうすればいいですか?

まずは一人で抱え込まず、営業所の上司や指導運転士に相談してみてください。勤務の組み方や乗る路線を相談できる場合もあります。

かっこいいという理由で志望してもいいですか?

きっかけとしては自然です。面接では、その憧れを安全や接客など仕事の中身と結びつけて話すと伝わりやすくなります。

まとめ

この記事の要点
  • バス運転士のきつさは、時間、体、気持ちの3つに分けると対策が見えやすい
  • 2024年4月から見直された改善基準告示で、拘束時間や休息期間の上限が決められている
  • 地域の生活を支える手ごたえや、運転の技術が身につくことがやりがい
  • かっこいいと言われる理由は、制服、運転の技術、落ち着いた案内の積み重ね
  • 研修、勤務の組み方、相談のしやすさ、設備で続けやすい職場を見分ける
運転士ドットコム

運転士ドットコム 編集部

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