高速バス・夜行バスの運転士|交替運転のルールと働き方

高速バス・夜行バスの運転士の交替運転のルールと働き方を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が国土交通省・厚生労働省・警察庁などの公的機関と、鉄道会社・バス会社・交通局の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。採用の区分や募集要項、制度は変わることがあるため、最新の情報は各社・各交通局の公式の採用ページで確認してください。

都市と都市を結んで長い距離を走る高速バス。夜通し走る夜行バスに乗った時、『運転士さんはいつ休んでいるんだろう』と気になった方もいますよね。

結論から言うと、高速バスの運転士には、連続して運転できる時間や、交替の運転士を乗せる距離の目安が国の基準で決められています。夜行バスで運転士が2人乗っているのも、このルールがあるからなんです。

この記事では、高速バス・夜行バスの運転士の働き方を、ルールの表と空港リムジンバスの例で分かりやすく紹介します。

目次

高速バス・夜行バスの運転士はどんな仕事?

先に結論

高速バスの運転士は、高速道路を中心に長い区間を走り、お客さまを都市から都市へ運ぶ仕事です。昼に走る便、夜通し走る夜行便、空港と街を結ぶ便など、走り方にいくつか種類があります。

『高速道路をまっすぐ走るだけだから、路線バスより楽そう』と思う方もいるかもしれません。

実は、長い時間の運転では、集中を保つことと休む段取りがとても大事になります。高速バスの主な種類を並べてみました。

種類走る時間帯走り方の特徴気をつけること
昼行の高速バス朝から夕方都市と都市を高速道路で結ぶ渋滞と休憩の時間配分
夜行バス夜から翌朝寝ているお客さまを乗せて長い距離を走る眠気を防ぐ休息と、交替の段取り
空港リムジンバス早朝から夜空港と街のホテルや駅を結ぶ荷物の積み下ろしと発着時刻
昼行の高速バス・夜行バス・空港リムジンバスの3つを、走る時間帯・走り方の特徴・気をつけることで比べた図解

路線バスとの違い

路線バスは、営業所の近くの路線で何本もの便を担当します。高速バスは1回の運行が長く、行き先の街で休んでから戻る勤務もあります。

バスの種類ごとの違いは、バス運転士の仕事内容で比べています。行き先が毎回変わる観光バスの働き方は、観光バスの運転士の仕事でまとめています。

高速バスの運転士がしている主な仕事
  • 出発前の点呼と、車両の始業点検
  • 乗車の受付と、荷物の積み込み
  • 決められた経路と休憩場所での運行
  • 交替の運転士への引き継ぎ
  • 到着後の点検と、運行の報告

連続運転と休息のルールを表で見よう

先に結論

バスの運転者には、厚生労働大臣の告示「改善基準告示」で働く時間の基準があります。高速バスでは、高速道路の実車運行区間の連続運転はおおむね2時間までとされています。

『何時間も休まずに運転して大丈夫なの?』と不安に思いますよね。2024年4月から適用されているバス運転者の主な基準を表にしました。

ルールバス運転者の基準(2024年4月から)
1日の拘束時間13時間以内(延長は最大15時間)
休息期間継続11時間を与えるよう努めるのが基本で、9時間を下回らない
運転時間2日平均で1日9時間以内、4週平均で1週40時間以内
連続運転時間4時間を超えない
高速道路の実車運行区間高速バス・貸切バスはおおむね2時間まで

出典は厚生労働省の自動車運転者の労働時間等ポータルです。貸切バスなどには例外の扱いもあるので、くわしくはポータルの「バス」のページで確かめてみてください。

2時間ごとの休憩はこんなイメージ

高速道路を長く走る便では、2時間ほどを目安に、サービスエリアなどで休憩を入れる形になります。お客さまにとってはトイレ休憩、運転士にとっては体と目を休める時間です。

例えば、車内ではこんな案内が流れます。「次の休憩は〇〇サービスエリアです、発車時刻までにお戻りください」

この短い時間も、安全のための大事な区切りなんです。

休憩中の運転士

休憩中の運転士は、車両のまわりを見て回ったり、体を伸ばしたりしています。食事をとることもあります。次の運転に向けて体を整える時間だと思ってもらえるとうれしいですね。

交替の運転士を乗せる距離の目安

先に結論

国土交通省は2013年に、高速乗合バスの交替運転者の配置基準を定めています。1人で運転できる実車距離は、昼間は原則500km、夜間は原則400kmまでが目安です。

夜行バスに乗った時、『この長い距離を、運転士1人で走るのかな』と思ったことはありませんか。

ここが大事なところです。決められた距離を超える運行では、交替の運転士を乗せることになっています。

項目2013年に国が定めた基準
昼間のワンマン運行1運行の実車距離は原則500kmまで(条件を満たせば600kmまで)
夜間のワンマン運行1運行の実車距離は原則400kmまで(運行前11時間以上の休息などの条件を満たせば500kmまで)
1運行の運転時間原則9時間まで
基準を超える場合交替運転者の配置が必要
夜間と昼間のワンマン運行で1人で走れる実車距離の目安と、それを超えたら交替運転者を乗せる流れを示した図解

出典は国土交通省の高速乗合バスの交替運転者の配置基準の概要です。

夜行バスの運転士の働き方

夜行バスでは、2人の運転士が乗り、途中で運転を交替する便があります。交替を待つ運転士は、車内の決められた場所で休みます。

『寝ているお客さまを乗せて夜通し走るのは大変そう』と感じますよね。だからこそ、運行の前にしっかり休息を取ることが仕事の一部になっています。

よくある思い込み

「夜行バスの運転士は夜通し1人で運転する」と思われがちです。実際は距離や時間の基準があり、超える運行では交替の運転士を乗せます。乗る便の距離を知りたい時は、運行会社の案内を見てみてください。

空港リムジンバスの運転士の仕事(東京空港交通の例)

先に結論

空港リムジンバスの運転士は、空港と街を結ぶ便を運転する仕事です。東京空港交通の採用ページでは、路線バス運転手とランプバス運転手の職種があり、大型二種を持たない人向けの養成制度も紹介されています。

高速バスの仲間として、空港と街を結ぶリムジンバスの運転士に興味がある方もいるはずです。ここでは、東京空港交通の運転士の採用ページで公開されている内容を見てみましょう。

項目採用ページで分かること
職種路線バス運転手・ランプバス運転手(正社員)
採用の区分運転手、運転手(養成制度)、運転手(嘱託)、運転手(シニア歓迎)
養成制度の応募資格大型一種または普通免許(AT限定不可・取得から3年以上)、または若年層対象で普通免許(AT限定可・取得から1年以上)
共通の条件過去5年間に免許停止処分なし・累積点数2点以内
研修研修初期(1〜2か月)は昭和島の研修・訓練センター

大型二種免許を持っている人の選考は、一次が実技試験、二次が健康診断・クレペリン検査・運転適性検査・面接と案内されています。2026年5月には養成制度の応募要件を緩和したと告知しています。

東京空港交通の運転士の募集の最新の内容は、採用ページで確かめてみてください。

職種の中身の確かめ方

同じ会社でも、路線バス運転手とランプバス運転手では走る場所や1日の流れが違います。どちらに応募するか迷ったら、採用ページの職種の説明を読み比べてから決めてみてください。

高速バスの運転士を目指す流れ

先に結論

高速バスの運転士を目指すには、大型二種免許を取り、会社の研修を受けて乗務に入る流れが基本です。路線バスから始めて、経験を積んでから高速バスへ進む会社もあります。

『いきなり高速バスを運転できるの?』と気になりますよね。公開されている例を見ると、入口はいくつかあります。

例えば、JR東海バスの運転士(中途)は高速バスの運転業務で、入社後は3〜4カ月程度の研修期間があります。名鉄バスは路線バスから始めて、貸切・高速・空港リムジンなどへステップアップできると紹介しています。

高速バスの運転士になるまで(一般的な流れ)
  1. 募集要項で、担当する運行と免許の条件を読む
  2. 応募して、面接や適性検査、実技などの選考を受ける
  3. 大型二種免許を持っていなければ、会社の制度などで取る
  4. 研修で運転と経路、休憩や交替の段取りを覚える
  5. 路線バスなどで経験を積み、高速バスの乗務に入る

JRバス各社の採用の入口は、JRバスの運転士で比べています。長い運転の大変さと、その向き合い方はバスの運転士はきつい?でも紹介しています。

高速バスに向いている人

『長い距離の運転が好き』という気持ちは、高速バスの運転士を目指す大きな理由になりますよね。ただ、それだけでなく、決められた時刻と休憩の段取りを守れることも大切です。

高速バスの運転士に向いている人のチェック
  • 長い時間、同じ集中を保つのが得意
  • 休憩や休息の時間をきちんと守れる
  • 泊まりの勤務があっても暮らしと両立できる
  • 交替の運転士と声をかけ合って引き継げる

運転の仕事への転職を考えていて、いくつかの会社をまとめて比べたい時は、ドライバー転職サービスの選び方も参考にしてみてください。

運転士ドットコム

バスやトラックの運転士への転職を考えている方へ

バスやトラックなど運転の仕事は、会社によって免許取得の支援や勤務の形、休日の取り方が大きく違います。一人で求人票を見比べるのが大変な時は、ドライバー専門の転職支援サービスに無料で相談して、希望に合う求人や条件を確かめてみましょう。

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鉄道会社の運転士は、各社の公式の採用ページから応募するのが一般的です。転職支援サービスは主にバス・トラック・タクシーなどの運転の仕事を扱っています。

高速バスの運転士についてよくある相談

気になるのは「1人で走るのか」と「新人の研修」

高速バスや夜行バスの運転士については、長い距離を1人で走るのか、新人はどう育つのか、といった相談がよく寄せられます。

ここでは、よくある相談を3つ選んで答えていきます。

夜行バスで運転士が1人なのは普通?

『予約した夜行バスの距離を、運転士1名で走るのか不安です』という相談があります。

1人で走れる距離には、先ほどの交替運転者の配置基準があります。夜間のワンマン運行は1運行の実車距離が原則400kmまで(条件を満たせば500kmまで)が目安です。

気になる時は、運行会社に「この便は交替の運転士が乗りますか」と問い合わせてみると安心ですよ。

新人はどうやって高速バスの研修をする?

『高速バスの新人の運転士は、どうやって研修するのですか』という相談もよく見かけます。

研修の中身は会社によって違いますが、公開情報では研修期間を設けている会社が多くあります。例えばJR東海バスは3〜4カ月程度の研修期間、東京空港交通は研修初期の1〜2か月を研修・訓練センターで行うと案内しています。

路線バスで経験を積んでから高速バスへ進む会社もあるので、面接で「高速バスの担当になるまでの流れ」を聞いてみてください。

夜行バスの運転士は眠気にどう向き合っている?

『夜行バスの運転士は、眠くなったらどうしているの?』という相談です。

基本になるのは、運行の前にしっかり休息を取ることです。改善基準告示でも、勤務と勤務の間の休息期間は継続11時間を与えるよう努めるのが基本で、9時間を下回らないとされています。

そのうえで、決められた休憩の時間に体を休め、交替のある便では交替して休みます。眠気を我慢して走るのではなく、休める仕組みの中で走るイメージです。

よくある質問

高速バスの運転士は何時間続けて運転できますか?

改善基準告示では連続運転時間は4時間を超えないこととされ、高速バスの高速道路の実車運行区間はおおむね2時間までとされています。

夜行バスにはいつも2人の運転士が乗っていますか?

距離などの条件によります。国土交通省の基準では、夜間のワンマン運行の実車距離は原則400kmまでが目安で、超える場合は交替運転者を乗せます。

東京空港交通の運転士は大型二種がなくても応募できますか?

採用ページでは養成制度があり、大型一種または普通免許(取得から3年以上・AT限定不可)、または若年層対象で普通免許(取得から1年以上・AT限定可)の人が応募できると案内されています。

未経験からいきなり高速バスの運転士になれますか?

中途で高速バスの運転業務を募集している会社もあります。路線バスから始めて高速バスへ進む会社もあるので、募集要項で担当する運行を確かめてください。

まとめ

この記事の要点
  • 高速バスの運転士は、昼行・夜行・空港リムジンなど長い区間を走る仕事
  • 改善基準告示で、高速道路の実車運行区間の連続運転はおおむね2時間まで
  • 夜間のワンマン運行は実車距離が原則400km、昼間は原則500kmまでが目安
  • 基準を超える運行では交替の運転士を乗せる
  • 東京空港交通には大型二種がない人向けの養成制度がある
  • 路線バスで経験を積んでから高速バスに進む道もある
運転士ドットコム

運転士ドットコム 編集部

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